マイフレンドD

□〜君と僕が幸せになれる方法〜 第2章 始まり
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ベルモットに連れられ、零は組織のアジトに来ていた。降谷零ではなく、ベルモットの従姉妹で諸星大の妹、諸星澪南(もろぼしみおな)として変装と変声をこなして来た。
「澪南、まずはジンとの挨拶からよ。こっちへ入って」
ベルモットに促され、指示された場所にベルモットと共に入る。中には殆ど物が置いてなく、ただポツンと置かれていたソファーがあり、そこには長い銀髪の髪を靡かせたジンが黒ずくめの服装をして、持たれかかっていた。
「ジン、この子が澪南よ。今日からここに入る」
「あぁ、そいつか。お前の従姉妹とかいう」
「ええ」
簡単な自己紹介をベルモットがしてくれ、それにジンが不敵な笑みを向けながら答える。零は取り敢えず新人として名前とよろしく、という言葉をジンに伝える。
「俺はジンだ。組織のことについて、ベルモットから聞かされていると思うが、この組織は所謂裏の世界だ。殺しだってする。拳銃の扱い方は知っていると思うが、大丈夫か」
「はい、ベルモットから聞かされています。なので銃の扱い方は殆ど知ってます」
「そうか、なら心配はいらんな。澪南、お前には情報収集をしてもらう。明日、ベルモットと共にこのパーティーに出て、この男にハニートラップかけて情報を引き出してこい」
言葉とともに渡された資料には、明日零とベルモットがハニートラップをかけて情報を引き出す1人の男の名前があった。
組織の姉妹団体である幹部の男だった。

ジンとの挨拶が終わったあと、零はベルモット用に借りた一戸建ての家にベルモットと共に来ていた。
「ここは盗聴器も仕掛けられてないから安全よ。零につけられていた盗聴器付きのジャケットは車の中にあるし、大丈夫よ」
「ありがとうございます、シャロン。取り敢えず挨拶も完了しましたし、問題は明日です」
「そうね、あの男は金髪の女が好きらしいのよ。だから、零に被害がないように、あなたには私に変装してもらうわ。良かったわ、変声術を教えておいて」
ベルモットはソファーに腰をかけながら言う。そう、澪南として変装する時に変声術も一緒に教えて貰ったのだ。短な人の声は大分出せるようになっている。ベルモットの変声には劣るが負けず劣らずくらいには変声出来る。
「じゃぁ、明日の作戦会議、しましょうか?澪南」
「ええ、ベルモット」
澪南としてスイッチを入れ、作戦会議を始めた。

そして翌日、作戦は無事に完了した。情報を吐かせた幹部には澪南に変装したベルモットが口封じの為射殺し、任務は無事遂行した。
ジンには疑われはしたが、その時の映像を見せたら納得してくれ、無事に作戦は完了したと言えた。
その日の夜、ベルモットの家で秀一に電話をかけた。
「秀一さん、子供たち元気にしてますか?」
『あぁ、元気だよ。君こそ、体調崩してないか‍?』
テレビ電話を通して見る秀一に体調のことを聞かれ大丈夫だと答えた零。
秀一に組織での初任務を遂行した事を報告した。
『そうか、お疲れ様だな。ちょうど風呂から子供たちが上がったらしい。会うか‍?』
「はい、会いたいです」
零にちょっと待ってろと言い残し、少し画面から離れた秀一が秀吉と一緒に子供たちを連れてくる。
『ママ〜!』
零を見た瞬間、ママと呼んでくれた優と一。もう2週間もあっていないのに、覚えていてくれた子供たちを見て零は嬉しくて涙を流しながら優と一の名を呼ぶ。
「あらっ、電話していたのね。ゆうちゃんも一ちゃんも元気かしら‍?」
お風呂から上がってきたベルモットがパソコンの画面を隣から覗き込んでくる。
『ベル、零は大丈夫なのか‍?』
心配性の秀一がベルモットに零の様子を聞く。
「ええ、でも油断は禁物だわ。ジンはしぶといからね」
『分かっている。頼んだぞベル』
「ええ、零のことはちゃんと私が面倒見るわ」
「そんな犬みたいな・・・」
「それより零、そろそろ寝ておかないと、明日は研究室の方に顔を出すんでしょう‍?」
「はい、わかってます。じゃぁ秀一、子供たちをお願いします!」
『あぁ、わかってる』
電話をきり、明日に備えて少し早いが寝ることにした。

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