マイフレンドD

□〜君と僕が幸せになれる方法〜 第17話
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双子たちが保育園に通えるようになり、零は公安で働くことになった。保育園の送り迎えは高校生になった秀吉がしてくれることになり、零達が帰ってくるまで真純と秀吉が面倒を見てくれることに。
その分働ける零達は秀吉達に感謝をしながら仕事を励んだ。
それから数ヶ月がたった頃、零と秀一と谷本に組織に潜入する様にと以来がかかった。
「君達は、今いる公安部の中でも優秀中の優秀だ。特に降谷君と赤井くんはFBIからも勧誘が来ていると聞いている。谷本君、君も本当はCIAからの勧誘が来ている。こんな優秀な部下を持てて私は嬉しいよ。
話が脱線したな。組織についての話をしようか」
上司がホワイトボードに組織の幹部の名前と、組織がやっている様々な殺し、それから取引の数々を書いていく。
「組織には以前も潜入していた捜査官たちがいるが、未だ組織の轡を握ったものはいない。だが、君達3人ならこの組織を壊滅させられると信じている」
「わかりました。引き受けます」
上司からの要請を素直に従った零達は、組織に潜入するための策を練った。
「どうやって潜入しようか、零」
「そうですね、それが問題です」
資料に目を通して、脳をフル回転させる。そんな時、谷本が口を開いた。
「俺は、この宮野明美に近づこうと思う。彼女の妹のシェリーは優秀な化学者だと書いてあるし、なんとか仲良く慣れれば」
谷本が言ったのは、以前実際に秀一が使った策だった。彼女は組織のために、いや、妹と一緒に組織を抜けるために組織に頼まれた依頼を難なくこなしたのに殺されたのだ。そんな事は無くさないといけない。ならば、谷本の案はいいかもしれない。
「わかった、谷本はその策で乗り込もう」
「あぁ、そうしてくれるとありがたい」
「秀一さん、思い付きましたよ」
「何だ‍?零」
谷本の組織に潜入する方法が決定したあと、零が思い出したように、組織へ潜入する方法がわかったというので、秀一がどういう方法だと、聞いてくるので零は秀一を見て口を開いた。
「ベルモットの従姉妹として私が潜り込むんです。多少名前は替えますが・・・。その後秀一さんが私の双子の兄として・・・そうですね、諸星大として潜り込めるように私が手配します」
ベルモットは今回、CIAの諜報員として潜り込んでいる。そうであればベルモットには信頼が置ける。それにうちの子たちの面倒を買って出てくれるので、信頼はある。
秀一は少し難しい顔をしたが、口を開いた。
「そうだな。でも零が危ないだろう。1人で潜入して行って怪我でもしたらどうする‍?」
「その心配は無いわ、シュウ。零の事は私が責任をもって世話をするわ。今回は私もノックの身よ。零には私のそばにいてもらうから」
いつの間にか来ていたベルモットがドアにもたれ掛かり、こちらを見ていた。実は零が先ほど連絡をしてここに来てもらったのだ。
組織の、出来るだけジンに近くて、信頼できる幹部は彼女しかいない。
秀一は壁にもたれかかっていた彼女を見て眉を顰める。ベルモットにはあまりいい印象が無いからだ。前回の時に受けた印象が大きすぎたせいか、今世でCIAだと告げられても到底信頼できなかった。今でさえ、彼女のことは信用していない。
「その目、辞めてもらえるかしら。私は零に頼まれて来たのよ。あなたにとやかく言われる覚えはないわよ」
「ちょっと、シャロン。辞めてください。秀一さんも、その剣幕辞めてください」
零が仲裁に入り、ようやく冷静になった秀一が口を開いた。
「君に零を頼めるのか?」
「当たり前じゃない。そして、シェリーや宮野明美も組織から出すんでしょう。ライが早く組織に入れるように手配するわ。
そして、零。貴方には少し変装してもらうわよ」
秀一との話が終わったベルモットが零に向けて言う。変装してもらう、と。
「変装、と言っても、ほんの少しよ。零とライは一卵性双生児として潜入してもらうから、目元とかはなしにしても、長い黒髪のかつらをつけるのと、零は肌が褐色だから、見えるところは真っ白に塗るわ。有希子にも手伝ってもらうから完成度は間違いなしよ。例にも出来る様にするわ。だから、今日は夕方まで特訓よ」
何故か双子の設定が一卵性双生児にされ、変装の特訓をさせられることになった零はベルモットに工藤邸に連れていかれた。もちろん、秀一も一緒に工藤邸に行くことにした。
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