マイフレンドD

□〜君と僕が幸せになれる方法〜 第16話
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零と双子の退院日の今日。仕事で迎えに来られない秀一の代わりに、産まれた双子たちと零を迎えに松田達が来ていた。
「よぉ零ちゃん」
「こんにちわ、降谷ちゃん」
「よっ、降谷」
「久しぶりだな、ゼロちゃん」
松田、萩原、伊達、スコッチ・・・曰く谷本が顔を覗かせて、三者三様・・・いや四者四様で挨拶をしてくる。
「お久しぶりです、松田さん、萩原さん、伊達さん、谷本さん」
「相変わらず、硬っ苦しい呼び方だな。もっと馴れ馴れしく呼んでくれてもいいんだぞ零ちゃん」
「いえ、それはできません。秀一さんに怒られちゃうので」
零は抱いている優を抱きしめながら、話し掛けてきた松田に言う。
松田は笑いながら赤ちゃんの顔を見に行く。
「松田さん、優を抱いてみます?少し軽いですけど、びっくりしないでくださいね」
「あぁ」
零に言われた通り、零が座っている隣に座り、壊れないように抱く。初めて抱く赤ちゃんは軽くて、それでいて可愛い。そしてどことなく零と秀一に似ている。
「松田っ、ずるいぞ。俺にも抱っこさせろ」
「伊達さんは一を抱っこしてあげて下さい」
松田に文句を言う伊達に、眠ってベットで寝ていた一を抱き上げ、伊達に預ける。
「おぎゃー」
伊達が抱っこして瞬間、眠っていた一が泣き出した。慌てて零が抱っこするとすぐに泣き止んだ。
「ごめんなさい。この子、人見知りが凄いんですよ。秀一さんや私が抱っこするとこうやってすぐに泣き止むんです」
泣き止んだ一は零に抱かれてうとうと眠り出す。それを見ていた萩原が笑いながら、伊達にいう。
「おじちゃん、泣かれちゃったねー」
「うるせぇ、萩原。それに俺はまだ降谷と同い年だぞ」
「はいはい、じゃぁ今度は俺がだっこしてみようか」
そう言って谷本が零から一を抱っこする。伊達が抱っこした時は泣いたはずの一は、起きたが泣かなかった。その上キャッキャと笑顔を谷本に見せている。
「珍しいですね。谷本さんには、泣かないなんて」
「俺は昔から兄弟の世話をして来たからな。それに何故か、友人の子供を抱いた時、泣かれた事が無いんだよ」
な〜、一。
谷本は言い終わるとケラケラ笑う一と一緒に笑う。
「くそ、何で俺だけなんだよ!」
伊達が悔しそうにいうと、優を抱いた松田が伊達の前に立つ。
松田はわらいながら優を抱いてみろ、と言うと、伊達は少しテンションを戻し微笑みながら優を抱っこする。
「はじめまして、優ちゃん。伊達叔父ちゃんだよ〜」
変な顔をしながら、優に話しかける伊達に、松田達は大笑いをする。優は最初は怖そうで泣きそうになっていたが、面白い顔をしながら自分に話しかけてくる伊達をみて、笑った。
「さぁ、秀一に頼まれた通り、お姫様と可愛いエンジェル達を家まで送ろうか」
一を抱いた谷本が言い出し、みんなもそれに賛成して、病院を後にした。

その日の夜、仕事から帰ってきた秀一が寝ている双子たちにキスを送る。
「流石アメリカ人だな、秀」
「まあな。零、ただいま」
そう言って零を抱き締めてくる秀一に、零はいつも通り頬にキスを送る。両方に。
その後秀一が同じように零の両頬にキスを送ってくる。
「おいおい、見せつけてくれるな」
「本当だよな」
見ていた松田達が文句を言いながらも笑う。
秀一達も前の時守れなかった仲間達がまだ居てくれて、これからも守ってやりたい。そう思いながら、笑った。

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