マイフレンドD

□〜君と僕が幸せになれる方法〜 第9話
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あれから1ヶ月が過ぎ、零の先生から学校に行ってもいいと許しが出て、2人で学校に来ていた。久々に秀一達の姿を見た有希子たちがこちらに来る。
有希子が零を抱きしめた。
「もぉー心配したんだから!零ちゃん、大丈夫なの‍?」
「はい。もう大丈夫ですよ。秀一さんが一緒にいてくれたんで、もうすっかり治りました」
「来てそうそうのろけ〜‍?」
「はい」
有希子が呆れた声で呆れた声で質問したのに対し、零は笑顔ではい、と答えた。
これは余計な話なのだが、秀一の情緒不安定状態は半月前にやっと治ったのだ。零が傍に居てくれて、慰めてくれたからこそだ。零は秀一が居てくれたから、と言うが、こっちこそ零が居てくれたから治ったのだ。
有希子と笑顔で話す零を見て心の中でありがとう、とお礼を言った。
「秀一、お前の方こそ大丈夫なのか?情緒不安定状態だって言ってただろう?」
「あぁ。零が傍で慰めてくれたからな。半月前にやっと治った」
「そうか、それは良かった」
優作が笑顔で治ってくれてよかったと言ってくれたのに対し、秀一も微笑んでありがとうと返した。
「おーい、藤峰、降谷!授業始まってるぞ。早く席つけ。赤井と工藤は2組だろう‍?お前らも自分のクラスにもどれ!」
授業が始まっていることにも気づかず長話をしていた秀一たちに、零達の担任が指示を出した。
「じゃぁ零、後でな」
零の額にキスを落とすと秀一は自分のクラスに戻った。突然のキスに頬を染めながらも、零達も自分の席に着いて授業を受けた。

そうして昼休み。屋上に集まり、4人でお弁当を食べ始めた。
「零、これ食べるか?」
秀一のお弁当にあった卵焼きを零の口元に持ってきた。実は秀一は卵焼きが嫌いなのだ。是が非でも食べようとしないから、零が虐めでお弁当の中に卵焼きを入れたのだ。
「駄目ですよ、秀一さん。好き嫌いは駄目ですよ?」
「零だって、ピーマン残してるじゃないか。人の事言える立場じゃ無いだろう‍?」
「うぅ・・・。それは後で食べようと思ってたのに・・・」
零のピーマン嫌いは、以前からだ。以前はちゃんと食べていたのに、今になってまた食べたくないのだろう。
「じゃぁ秀一さん。私が卵焼き食べさせてあげるので食べてください!その代わり私にもピーマン、食べさせてくださいね?」
「了解した」
取り敢えず秀一が持っていた卵焼きを零の弁当に置いてもらい、零が箸で秀一の口元に運ぶ。
「はい。あーん」
そう言うと、渋々と言った感じで秀一が口を開ける。その口に卵焼きを食べさせた。
もぐもぐと卵焼きを頬張る秀一の頭を、えらいえらい、となでた。
「じゃぁ今度は零の番だな‍?」
秀一が零のお弁当からピーマンを取って、零の口元に持っていく。
「あーん」
パクっと、持ってこられたピーマンを口に頬張り、苦い顔をしながらピーマンを食べた。
「意外だな。秀一に苦手な食べ物が有るなんて」
「そうよね。零ちゃんにも苦手な食べ物が有るなんてびっくりしたわ」
「俺だって苦手なものぐらいあるさ。なぁ零‍?」
「そうですよね。まるで私達が可笑しいみたいに」

なんて言い合いながら、新たな1面を知った1日だった。

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