マイフレンドD

□〜君と僕が幸せになれる方法〜 第7話 中編
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作戦会議から1週間が立ち、今日はその作戦決行日。いつも通りに授業も終わり下校時刻になった。
「零ちゃーーん」
これもまたお約束通りに山本が零の名前を呼びながらこちらに来るがいつもなら避けるはずの零は山本の手を掴んで背負い投げた。一応言っておくがこれは本当の零ではなく、零の仮面を被った秀一だ。作戦で、秀一が零の格好をして放課後こちらに走ってくるはずの山本を投げ飛ばし、秀一が変装を取るというのが第一の作戦だ。
その作戦どおりに変装を解いて、山本に言う。
「すまないな。だが、俺の零に手を出すのなら容赦はしない」
「赤井くん‍?なんで君が・・・!」
床に手をつき立ち上がりながら変装を解いた赤井の顔を見て驚きながら話しかけてくる。
「言ってなかったか?零は俺の彼女だと。お前が入る隙間もないほどのバカップルだと」
自分でバカップルだという秀一にあっけらかんとする山本。そんな山本を廊下から見ていた本物の零が、秀一の変装を解いてこちらに走って来る。
そんな零を秀一が受け止め、抱き締める。
「この通り、零は俺に惚れていてね。君を好きになる事は1ミリたりとも無いよ」
「秀一さん。大好き!愛してます」
山本には見せないような表情で秀一を見て零が愛してるというと、秀一が零の唇に自分の唇を重ねた。
その動作を一部始終見ていた標的の山本は走って逃げて行った。他に見ていた零たちの事情を知る野次馬達からは歓声が上がり、知らない一部の女子達からは悲鳴の様な声が上がった。
優作達は遠くからことの次第を見送ったあと、おめでとうと言った。
それからというものあいつが、零達に近寄るような事はなかった。

そんなある日のこと。委員会が長引いた秀一を校門の前で待っていた零の前に、数人のいかつい人物を連れた山本が現れた。
「何なんですか?」
「はっ、俺を怒らせた罰だ。お前を赤井から奪ってやる」
ハンカチで口を塞がれ何かを匂わされ、零はそのまま気を失った。心の中で何度も秀一の名前を呼んでいた。
委員会活動を終えた秀一が廊下を歩いている途中、零が秀一を呼ぶ声が聞こえて校門の方を見ると、気を失った零を抱いた山本が居た。急いで零がいる校門まで駆けつけた。
でも駆けつけた時にはもう遅い。零を連れた山本が車に乗ってさったからだ。
秀一はポケットから携帯を出して、ある所に電話をかけた。
「もしもし‍?赤井です。お願いがあるんですが・・・。はい。ありがとうございます。零が危ないので早めにお願いします」

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