マイフレンドD

□〜君と僕が幸せになれる方法〜 第6話
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あとから聞いた話、告白は上手くいったらしい。上手くは行ったが告白したのは有希子からではなく、優作からだったらしい。有希子から言わせてみれば、もっとロマンが欲しかったらしいが、顔は不満そうな顔ではなく、頬を真っ赤に染め、その上に傍から見てもわかるほどの満足そうな笑顔だった。
有希子や、優作は告白する前とは違う初心な態度を取っていたので、昔の自分達を見ているようで、何となく微笑ましかった。

それから半月が過ぎ、今日は中学校の入学式。親達とともに学校に行き、クラス分けを見ていく。零と秀一とのクラスは離れてしまったが、隣のクラスなのでいつでも会えると言う秀一に頷き、別々のクラスに入った。
零は自分の席に着き、筆箱を机の上に出し、スクールバックを机の横に掛ける。
「零ちゃん!」
名前を呼ばれ、呼ばれた方を見ると、そこには有希子がいた。確か同じクラスだったと思い出し、有希子の名前を呼ぶ。
「良かった、有希ちゃんが同じクラスで」
「私も。優作とクラス離れちゃったし、零ちゃんが同じクラスだったから良かった!」
「うん!」
有希子の席は零の斜め前で、席も近くて安心した。
始業式も終わり、仕事があると言って仕事場に戻った両親たちにこれでご飯を食べておけ、と言われて1万円をもらったがこれはいくら何でも多いだろう。2人で笑いながらも秀一が持ってきていた財布に1万円を突っ込む。
「零、久し振りに2人で遊園地でも行くか?」
「そうですね。お年玉が貯まりに溜まってますし」
自分たちの財布には2万円入っている。通帳には二人合わせて50万程は入っているらしいが、それは未来の自分たちの子供のために貯めておこうと、手を付けていない。
話は戻るが、その2万円は今日入学祝に両親から貰ったものだ。ここだけの話、両親達は、NYPD(市警察)とCSI(自治体警察の鑑識課)と言うこちらに回される前にしていた仕事関係や、今の業績により普段の警察よりも給料が高いのだ。
だからなにか祝い事があれば、他の子達よりは高額のお小遣いが貰えるのだ。

寿司屋で、1人十皿食べてお腹いっぱいになった後、少し休んでから最近出来たトロピカルランドへ遊びに行った。
「秀一さんは絶叫系とか大丈夫ですか‍?」
「あまり好きでは無いがな。アメリカにあるスタンディングコースターよりましだろう」
秀一は絶叫系はあまり好きでは無い。零に絶叫系は好きかと聞かれて思い出したのがジョディ達と前の時にジェットコースターに乗ったときのことだ。スタンディングコースターと呼ばれる、言わば立ってのるジェットコースターに乗って、気を失うところまでは行かなかったが気分が悪くなってしまったのが印象に残ってるから、絶叫系にあまりいい思い出がない。
そんな秀一だが、零と一緒なら・・・と考え、答えた。
「そうなんですね。私も絶叫系は余り好きじゃないんです。でもここのジェットコースターは怖くないって聞いて、乗ってみようかなって思ってるんですが・・・どうします?」
「そうだな。零が言うのなら乗ろう」
・・・結論から言って、トロピカルランドのジェットコースターはそこまで怖くなかった。たって乗るよりかは座って乗る方が怖く無いのだろう、と思う。零もピンピンしているし、秀一も全然平気そうな顔をしていた。
ジェットコースターに乗った後、2人で全乗り物を乗って、最後に観覧車に乗る。
向かい合って座り、乗った乗り物の話をする。
「秀一さん、乗った中で、どれが1番怖かったですか?」
「そうだな、あえて言うのならバイキングだな。あれは気持ち悪くなる」
「あぁ、わかりますそれ。あの揺れる感じ、気持ち悪いですよね」
零はくすくす笑いながらも、バイキングの話をする。秀一はそれを見つめながら、零の話に相槌を打った。
秀一も、同じような質問を零にする。
「そうですね。私はあの・・・。乗り物の名前忘れちゃったんですけど、あの対面に座って上や下に回りながら動くやつですね。
それが1番怖かったです」
「あぁ、あれは確かに怖かったな。君の方は1回転したみたいだし」
「そうですよ!あれはもう乗りたくありません。・・・でも、また遊園地に行きましょう‍?前世で・・・ううん、前の時に出来なかったこと全部、秀一さんとしていきたいんです。一緒にカラオケに行ったり、水族館に行ったり、手をつないで一日中デートしたり・・・」
やりたい事がありすぎて、困ります。
なんて言って赤い顔をする零を抱きしめて、キスをした。唇を離して秀一は零に言う。
「零がやりたいこと全てやろう。君がやりたい事を否定する筈が無いだろう‍?」
ドヤ顔の秀一が言い終わると、涙目になっている零が抱きついて来た。
そして遊園地の定番だが、観覧車の真上でキスを交わした。

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