マイフレンドD

□〜君と僕が幸せになれる方法〜 第4話
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小学校の三年生になったころ、親の転勤で日本に移住することになった。引越し先は前の時、工藤邸があった場所の隣だ。
両親と共に挨拶に周り、家に帰ると荷物を片付けていく。小学三年生になったのなら自分でやれ、と両親に言われて子供部屋に自分たちの服やらを運んで片付けていった。
二世帯住宅ということもあり、部屋は降谷夫婦と赤井夫婦、子供部屋と秀一たちの寝室などに別れており、五室は有にあった。リビングとキッチンだけでLDKはあり、家はとにかく広い。
今、学校の手続きをしている両親達は家を留守にしている。秀吉も連れて行っているらしい。
「秀一さん、これはどこに置きます‍?」
秀一は零が持っているものを見て、部屋の端っこに置いてくれと指示をする。
零は指示されたところに持っていたダンボールを置き、中身を開けてみる。その中には小さい頃のアルバムが何冊もあった。道理で重いわけだ・・・、なんて納得して蓋を締め、衣服を片付けている秀一を手伝う。
「零の服はこっちに入れてあるからな。下着は一番上に締まってある」
「ありがとうございます、秀一さん。私の分まで」
「いや、君にはいろいろ頼んでしまったからな。これくらいは」
などと新婚さんのような言葉を並べ立て、会話するふたり。笑いながらも手を動かし、その日の内に部屋に荷物を運んで片付けた。
両親が先生からもらった教科書や、買った体操服やリコーダー、鍵盤ハーモニカなどを受け取り、学校に行く準備は満タンに出来た。制服ではなく私服で良いと言われた時は、前にいた子供たちのことを思い出した。前回では少年探偵団などと名乗っていた子供たちだが、あれはコナンや哀が居たから危険に合わなかっただけで、本当に身勝手な子だと思う。今回は何としてもそれだけは避けたい。秀一が話すと、理解した零が了解だと答えてくれた。

一週間後から帝丹小学校に通う様に言われていたので、今日から登校開始。
秀一と零はまず、職員室に向かい転校生だと告げると、校長先生と担任の保田先生が出てく来てホームルームに案内をしてくれる。
秀一たちは手を繋いだまま先生達のあとを着いてホームルームに入る。
「えーっと、赤井秀一くんと降谷零ちゃんで良かったかな‍?」
「はい」
名前を合っているかを問われて、秀一が答える。零は秀一の手を繋ぎ、頷いた。
「秀一くん、零ちゃん。今日から2人の担任をさせてもらう佐藤和泉です。よろしくね」
担任が零と秀一の目線に合わせて言うので、秀一と零はよろしくと答え、教室に向かう担任の後ろに着いて一緒にクラスに向かった。
「みんなー、知ってるかもしれないけど、今日はアメリカから転校生が来ました。二人とも、入って!」
担任に声を掛けられ、一応繋いだ手を離して教室に入った。教壇の隣に立ち、秀一が先に自己紹介をする。
「初めまして、赤井秀一です。よろしくお願いします」
癖っけの前髪がピョコんと跳ねながらもお辞儀をする秀一を見て笑いながら、零も自己紹介をする。
「初めまして、降谷零です。よろしくお願いします」
「じゃぁ二人とも、一番奥の空いてる席に座ってね」
「零、行こうか」
差し出された手を取り秀一と手を繋ぐと、一緒に一番後の席に向かった。
昼休み、前髪がクルンと巻いてある女の子と、前の時に散々お世話になった新一に目元がにた男の子が話しかけてきた。
「初めまして、藤峰有希子です。秀一くんたちってアメリカから引越して来たのに日本語ペラペラなのね」
「こら有希子、図々しいだろ」
「あら良いじゃない、優作」
このふたり、何処かで見た事があると思ったら、やはり工藤夫妻だったらしい。確か同級生だったと言うのを思い出し、幼い2人を見て2人で笑う。何処かコナンに似ている幼い顔を見て親近感が湧いてしまうのはしょうがないだろう。
「何か可笑しかった‍?・・・もうっ、優作が一々突っ込むからでしょう‍?」
「おいおい、俺のせいにするのかよ‍?」
痴話喧嘩が始まった、なんてクラスの皆に言われている2人を見て、また笑いながらも仲裁に入る。
「ごめん、ごめん。昔仲が良かった子の御両親にそっくりで笑ってしまったんだ。俺は赤井秀一、よろしく。それでこっちは降谷零だ」
「こちらこそよろしく。俺は工藤優作だ」
未来の有名小説家、有名女優と仲良くなった登校初日だった。

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