マイフレンドD

□〜君と僕が幸せになれる方法〜 第3.5話
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一か月前位から秀一は考えていた。FBIに入るよりも、零と一緒に公安に所属をした方がいいじゃないのかと。
この間、スーパーで買い物をしていた時、ジェイムズにあった時にもらった名刺が秀一の目に入った。幸い今、零は自分の部屋で宿題をしている。掛けて相談するのなら今しかないだろう。
秀一は名刺を取り、書かれている電話番号に電話を掛けた。何度かのコール音の後、悠長な英語のジェームズの声が聞こえた。
「もしもし、赤井秀一ですが。ジェームズ・ブラックさんですか‍?」
『あぁ私だが、秀一くんどうかしたのかね?』
「実は、相談があるのですが。FBIの所属して欲しいと言われた件何ですが、お断りいたします」
『何故だね?前の時にはFBIに所属していただろう。君が進んで』
「えぇ、前の時、俺はFBIに進んで所属していました。でもそれは前の時です。今は守りたい人、愛する人のそばにいたいんです。同じ職場で居て守って上げたいんです。零は、前以上にFBIに警戒心を持っています。俺が怪我した事を自分のせいだと思い泣いていた彼女を、もうこれ以上悲しませたくないんです。
以前もジェイムズにはお世話を掛けましたが、今もお世話になるばかりですみません。ですが、公安に所属したい気持ちは変わらないんです」
話から分かるとは思うが、ジェイムズは前の記憶がある。スーパーで会った時に初めてジェイムズから聞いた秀一は少し驚いたが、聞いた話ではジェイムズは今でもFBIに所属しているらしい。
秀一は公安に所属したいと告げた。零を、愛する人を守り、助けたいと・・・。
「そうか、なら君は公安に・・・。赤井くん、君をFBIに欲しかったんだが・・・。
ならこういうのはどうかね?本業は公安に所属して、以前の様に狙撃手として活躍してはくれないかね?」
「でもそれは、ジェイムズにとってメリットが無いでしょう」
「いや、そうでもない。FBIの資格を取れるのは高校卒業と同時にだから、警察学校に通う時期までには間に合うだろう?」
有無を言わさないようなジェイムズの言葉に頷いた。

本当は零には話さないつもりだったが、そういうわけにも行かず、昼飯を食べたあと秀一は零に話があるといい、子供部屋に移動した。
「それで、話って何ですか・・・‍?」
可愛い顔をコテンと傾けて聞いてくる零に頷き言葉を紡ぐ。
「零、俺は君と一緒に公安に所属しようと思う。FBIではなく、公安に」
「えっ・・・‍?どうしてですか・・・、私のせい‍ですよね・・・精神不安定状態だったから・・・」
「それは違う。零、頼むから自分を責めないでくれ。零のそんな姿を見るのは辛い。
俺が公安に一緒に入ると言ったのは、俺自身が零のそばにいたいからだ。君と一秒たりとも離れたくないし、何よりもそばにいて君を守りたい。組織に潜入をする時も、君のそばにいて、スコッチ達が死なないように配慮しよう。前回は、失敗したがなんとしても今回はスコッチを守りたい。君の大切な友人だからな。頼むから、もう君の泣く姿は見たくない。だから・・・、一緒に公安に所属しよう?」
秀一の熱心な言葉に、涙を流しながら零が頷いた。そばにいてくれ、そう言われた言葉にどうして逆らえようか。零とて秀一と離れたくはない。今回みたいな事がまた起きて、今度は自分の知らないところで秀一が死ぬことになったらそれこそ一生立ち直れない。零はいろいろ考えて、秀一の言葉に頷いた。

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