マイフレンドD

□最初で最後の最愛の人は貴方です。
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そして僕の休み、最後の日。
赤井に誘われて、今日は東都水族館に来ていた。
今日は赤井より先に目的地に着いておこうと三十分は早めに来た筈なのに、赤井はもう来ていた。

「おはようございます、赤井。僕も早めに来たんですけど、今回もまた赤井の方が早かったですね」

「あぁ、一時間前にはここに来ていたからな。君を待たせるのは嫌でね。俺は待つ方がしょうに合ってる」

赤井は吸い終わった煙草を灰皿で火を消して捨てながら言う。
様に合うその姿に見とれながらも僕は赤井に話しかけた。

「待つ方がしょうに合ってるって・・・。ふふっ、貴方らしいですね」

赤井に笑いながら言うと、彼も僕に微笑みながらそうだな、と答えた。

水族館の中に入り、二人で中を回る。
まるで普通の恋人のように笑い合いながら。


水族館を1週し終わると、観覧車に乗ろうという赤井と一緒に観覧車に乗った。

「ここでは、貴方と殴り合いましたよね」

「そうだな。今回は二人で観覧車に乗ることになった。あの頃はまだ、憎みあっていたな。二人とも本当に若かった証拠だ」

何て笑いながら過去の事を話し始めた。
そうしていると、急に赤井が改まったように僕の名前を呼ぶ。改まった赤井の声に居住まいを正す。

「降谷くん」

「・・・はい」

「君に話がある、と誘った時に言ったな」

「えぇ」

「今、話してもいいだろうか」

困った様な顔をして話す赤井に頷いた。
俯いて赤井が話し始めるのを待つ。

「降谷くん、俺は君が好きだ。多分ずっと前から、出会った頃から君のことが好きだ」

「・・・えっ」

赤井が改まったように言った話したいこと、とはこういうことだったのか、と呆然としていたのだが、赤井の言った言葉を理解して、驚いた。
赤井が僕のことを好き‍?しかも僕と出会った頃から・・・‍?

「本当、なんですか。赤井が僕の事を・・・その」

「あぁ。君と一緒に飲みに行った時に賭けをしただろう?君は俺に言ったな。好きな人に1週間以内で告白しろと」

「えぇ」

「俺が好きなのは、君だ」

二人で飲みに行った時に赤井に好きな人がいると聞いて、僕が挑戦したことを思い出した。
でも赤井が僕の事を好きだったなんて・・・。嬉しい・・・。
そう思った途端、涙がこぼれ落ちた。

「何で泣くんだ‍?降谷くん」

「だって、赤井と同じ想いだったなんて・・・。嬉しいって思って」

段々と涙が止まらなくなっていた。そんな僕の隣に座って、強く抱きしめてくれる。背中を撫でてくれる手が、安心しろって言ってくれるような気がして、余計に涙が溢れた。
僕の涙が止まり、赤井とのかけを思い出して僕は赤井の手を握る。

「赤井との挑戦、僕もしてましたよね。好きな人の手を握ること」

目に涙を溜めて笑うと、赤井がまた抱きしめてくれて、嬉しいって言ってくれた。

「ねぇ赤井。僕の初恋って貴方なんですよ。
最初で最後の僕の恋人は、貴方です」

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