マイフレンド C

□Refrain (4)
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(side:秀一)

指輪を買ってから、もう2週間が過ぎた。
日曜に新一の両親が来て、お義母さんには気付かれてしまった。今日には何としてもプロポーズをしよう。
そう思い俺は行動に移していた。
少しお腹が出てきた新一を連れて、一緒にレストランに来ていた。
ここは昔、お義父さん達の思い出の場所だと聞いていたから、一昨日から予約を取っていて、今日その思い出の場所に新一を連れてきたのだ。

「赤井さんが父さんたちの思い出の場所を知ってるなんて初耳です」

「あぁ、お義母さんに聞いたんだ。昴になっていた頃にね」

俺に思い出の場所を知ってるなんて初耳だという新一にいつ知ったかを話すと、納得して頼んだステーキを食べ始めた。
食べ終わったあと、ポケットから小さい箱を取り出して新一に見せた。

「これは・・・‍?」

「結婚指輪だ。お義父さん達には許しを貰ったがまだプロポーズをして無かったからな。
俺と結婚してくれるか?新一」

「・・・もちろんです」

新一は満面の笑みを見せ、頷いた。それを見た俺は真っ先に新一を抱きしめた。膨らんでいるお腹を潰さないように。
野次馬たちや、ウエイターからも拍手の喝采が起きて、何処からともなくおめでとうという声が上がった上がった。

食事をし終わり、家に帰ってきたふたりは、ソファーに座っていた。新一の膝の上に頭を乗せて下から新一の顔を見上げる。

「ねぇ秀一さん。子供はどっちに似ると思います?」

新一が俺の髪に指を通しながら聞いてくる。

「そうだな。俺は新一に似た女の子がいいな」

「えぇ‍?私に似たら秀一さん、子供ばっかり可愛がりそうだから嫌です」

不貞腐れた顔で言いながらも、途中からは母親の顔をしていて可愛い。それを言うのなら、俺だってそうだろう。

「それを言うのなら俺に似たら新一が可愛がって俺の相手をしてくれなくなるだろう‍?」

子供相手に嫉妬している自分たちの事を、可笑しく思って2人で吹き出した。ひとしきり笑った後、新一が口を開いた。
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