マイフレンド C
□Refrain (3)
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(side:有希子)
「あっ、もしもし?」
『もしもし、母さん?』
久方ぶりの新ちゃんの声が電話ごしに聞こえ、興奮してしまう。
「あら、新ちゃん。久しぶりね!どうしたの?」
『えーっと、実は・・・』
「ん?」
『えーっと・・・。新一、代わって貰えるか?』
遠くの方から秀ちゃんの声も聞こえて、これは秀ちゃん絡みかな、と理解する。
数秒たって、電話越しに秀ちゃんの声が聞こえる。
『もしもし、赤井ですが。少し話があるんですが、これは重要なので優作さんにも聞いて欲しいのですが、優作さんは今ご在宅ですか?』
「優作なら居るわよ、ちょっと待ってね」
通話を保留にして優作に声を掛ける。
「優ちゃん、秀ちゃんが私と優作に話があるんだって」
「そうか。でもさっきまで新一と話していたのだろう?何で赤井くんが・・・。と言うことは赤井くん絡みの重要な話なのだね」
「よくわかってるじゃない。じゃぁ、スピーカーにするわね」
保留から通話に戻して、スピーカーにする。優作が座っている近くに座ってスマホをテーブルのうえに置く。
「もしもし、赤井くんかね?」
『えぇ、重要な話があるんですが少し宜しいでしょうか』
「あぁ。有希子も聞いているから、単刀直入でいい」
『では単刀直入で言いますが。・・・新一さんが妊娠しました。相手は俺です』
本当に単刀直入ね、なんて思いながらも今聞いた話に納得する。ふたりが付き合ってるのは知ってたけど、まだ入籍もしてないのに妊娠したとはねぇ。
私は別にいいけど優作は黙ってないわね。
「それで、どうするつもり何だ?」
『新一が産みたいと言っているので、俺も父親として子供を育てます』
「新一が産みたいと言ったから、育てるつもりなのか。じゃぁ新一が卸したいってもし言ったら君はどうするつもりだ」
『是が非でも産んでくれ、と懇願してました』
「ほぉ、無理矢理産ませるようにするのか」
『・・・』
優作の言い分も分かるけど、これでは秀ちゃんがあまりにも可哀想だと思い口を挟む。
いや、挟もうとした。
『父さん、さっきから聞いてたけど、赤井さん攻めないでよ。私が産みたいって言ったのは確かだけど、赤井さんその時、世界一可愛い俺達の子供を産んでくれ≠チて言ってくれたの。確かにさっきの言葉だったら、私が産みたいって言ったから育てるっていうような話だったけど、さっきのは言い過ぎだよ父さん』
でも、と継ぎ足された新ちゃんの言葉に優作の目に涙が浮かんだ。
『父さんが私の事をちゃんと考えてくれてるんだって思った。ありがとう、父さん』
「新一・・・、分かった。今週の日曜そっちに行くから一緒に食事をしよう。赤井くんも一緒に我が家で」
『ありがとう、父さん。料理は私と赤井さんでそろえておくから』
「あぁ。お詫びにお寿司を持ってを持って行くからご飯は用意しないでくれ」
『了解』
通話が終了してスマホを取る。
優作は少し反省した様な顔をしてるけど、しょうがないわね。ちょっとの間ほっといて置こうかしら。