マイフレンド C

□Refrain (1)
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(Side:赤井)

「実は・・・んっ、私、にんしっしてたって・・・ヒック、・・・赤井さん、こまらせたく・・・無いから」

そう言って泣いてる新一を見て、一旦思考が止まった。妊娠?新一が妊娠している、だと?
俺はまだ涙が止まらず、拭っている新一を抱きしめて、安心させるように優しい声で促す。

「新一、そんなに泣かないでくれ。お腹の子に影響するだろう?」

新一のお腹を撫でながら言うと新一が顔を上げて俺を見た。泣いたせいで腫れぼったい目にキスを落としてやる。

「赤井さん、この子産んでもいいですか・・・?赤井さんが迷惑じゃなければ・・・」

「迷惑なわけ無いだろう。新一と俺の子だ。世界一可愛い子供を産んでくれ」

涙で濡れた新一目元を指で拭いながら、新一に言う。きっと不安になってたんだろうな、新一は。妊娠初期だろうから不安や悩みも多いと思う。
もしかして俺がこの時気づいて新一に問いたださなかったら、俺に黙り独りで子供堕ろしていたか、独りで俺に隠れて産んで俺の前から離れていたんじゃないのか。
俺は最愛の人をもう二度と失いたくなく、子供を産みたいと言う新一を強く抱きしめた。

少しの間抱きしめ合っていると、思い出したように新一が俺に話しかけて来る。

「あの、赤井さん。ちょっと見せたいものがあるんですけど」

言いながら、帰ってきた時に持っていた手提げを持って来て中身を出す。手提げの中から出したのは、母子手帳。名前の欄には工藤新一と書かれて居る。
何をするのかと見ていると新一は母子手帳の表紙を開いて挟まっている写真みたいな物を出して俺に渡してくる。

「赤ちゃんの写真です。まだこんなに小さいのにちゃんと生きてるんですよね」

愛おしそうな表情で写真を見ながら、お腹を撫でる新一。俺は写真を受け取って、写真を見る。
まだ豆粒みたいに小さいが、俺たちの子はちゃんと生きてるんだな、何て思う。

「新一、お腹を触ってもいいか?」

「はい。どうぞ」

俺は新一のお腹を恐る恐る、というような形で触る。まだ初期だからなのかお腹はまだ出て無いが、ちゃんとここに居るんだな、と思う。
新一に断りを入れて新一の膝の上に頭を載せる。新一の顔に手を伸ばして、新一の頬に触れた。
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