マイフレンド C

□赤新お題1
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頭上の蒼月を仰いで

あの任務終了後からは大した仕事もなく、赤井と新一は1週間の休暇を貰っていた。
休暇中に2人は母国である日本を訪れ、二人で持ち帰った仕事をこなしていた。偶には仕事を休憩して一緒に料理を作ったり買い物に行ったりと適度な息抜きをしながら、仕事を一頻り終わらせる。

「赤井さん、少しコーヒーでもどうですか?」

少し眠くなった目を覚ますために、新一が赤井に声をかけた。赤井も一段落して区切りがついたのだろう。

「あぁ、頼む」

新一は1階に降りて、インスタントコーヒーの粉をコップに入れる。お湯が沸騰するまでの少しの間、ホームズシリーズの小説を読んでいた。


一人になった赤井は、仕事をしていた部屋の窓辺に腰を掛けて空を見上げていた。
綺麗な空の色は、新一を連想させるような蒼い月。だから夜の空は好きだ。いつも新一に見られているような、そんな感じがして。
そう、赤井秀一はほかの誰でもない、今コンビを組んでいる工藤新一の事が好きなのだ。
歳は少し離れているが、年の差など関係なく好きなのだ。好きなんかじゃ表わせ無いくらいに、新一の事を愛している。
赤井は星空を見つめながら、新一への気持ちを自覚していた。自分の想いが強すぎることに自分でも苦笑した。
少しの間そうしていると、コーヒーを入れてきてくれた新一が部屋に戻ってきた。

「赤井さん、コーヒー飲みましょう」

右手に持ったマグカップを赤井に差し出しながら声を掛ける。赤井はマグカップを受け取った。
少し熱めのコーヒーを一口飲む。新一も赤井もブラックのままが好きなので、二人ともコーヒーはブラック。口の中に苦味が広がって、眠気が覚めていく気がする。気がするだけで、多分二人とも体はダルイだろう。日本とアメリカでは時差があって、今日帰国したばかりなのでこっちの時間に慣れてない2人には徹夜は余計に身体に負担が掛かっている。
コーヒーにはカフェインが入っているため、眠気が覚めるのだが2人には今は無意味だろう。
いくら仕事上で徹夜に慣れていても、だ。

「ボウヤ、今日はこのコーヒーを飲んだら眠る事にしようか。もう少しで持ち帰ってきた仕事も終わってしまうからな」

「そうですね。僕の方も後少しで終わりますので、今日は寝ましょうか。これを飲んだら」

「あぁ」

会話を交わしながら暖かいコーヒーを飲む。それだけでも眠気が襲ってきて欠伸が出てしまう。
赤井はコーヒーを一気飲みして、机の上に置いてあるノートパソコンやら資料やらをひとまとめにする。まだコーヒーを飲んでいる新一のもついでに自分のと混ざらないように片付けた。

「あっ、ありがとうございます赤井さん。片付けてもらって!」

「ついでだから気にするな」

赤井は新一に気遣う言葉をかけた。新一もコーヒーを飲み終わったのか、コーヒーが入っていたコップをトレイの上に載せている。
赤井もトレイの上に自分が飲んだコーヒーが入っていたマグカップをトレイの上に載せると、そのままトレイを持ってキッチンに向かった。

三ページ目に続く!
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