マイフレンド C

□赤新お題1
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震える背中は君の悲しみ

FBIきっての切れ者、赤井秀一。そして今年FBIに入って来た有能な新人、工藤新一。
この2人が今年コンビを組んだ事はFBIの中では有名な話題だった。どんな時も新人には厳しい赤井も、その新人、工藤新一には凄く甘いという事で・・。

今回の任務もその2人に任せられた。
・・・しかし今回の任務は命に危険が及ぶかもしれないという事で、二人の護衛にジョディ、キャメルが付く事になった。
赤井も新一も銃の腕前の方は抜群だ。けれども、賢いからこそ、ということもある。だから冷静なキャメルとジョディを護衛にという事だそうだ。
任務の内容、それは・・・。今、かつての黒の組織のような・・・、いや黒の組織よりは弱いが、そんなテロリスト集団を抹殺する事だった。テロリスト、という事で新一と同じくらい頭の切れる頭が居るだろう。ジェイムズが厳しげな顔で告げると、赤井も新一も気合が入ったのか不敵な笑を浮かべた。
机の上に置いていたライフルバックを抱えた2人は会議室を後にした。

「赤井さんならどうする?この状況」

「それは今多分ボウヤが考えている事と同じ方法で対処するな」

「そっか〜。それなら良かった〜」

まるで二人の会話は、買い物言ってくる、ありがとう、赤井さん、見たいな物だ。
それくらい2人には自信がある作戦だという事だろう。強い相手を宿敵(こいびと)に思えるのは、赤井も新一も同じだった。

任務決行の日。赤井と新一は別行動をしていた。護衛をしているキャメルたちにとっては、一緒に行動しろって怒鳴りたいところだが、直属の上司であるジェイムズから二人が別行動を始めたら、ジョディは新一、キャメルには赤井に付いてくれと頼まれていたので、2人は命令通りに行動していた。
赤井はライフルを抱え、見張りをしている奴を片っ端から片付けた。多分、見張りの十人を殺るのに十秒も掛からなかった。
新一は赤井が見張りを片付けたのを見計らい、裏口から中に入った。そして後ろにいるジョディに少し、野暮用を頼むために声を掛ける。

「ジョディさん、ちょっと頼みたいことがあるんですけど・・・」

「何かしら、新一君」

そして無防備なジョディを溝内を殴って気絶させた。新一は気絶したジョディを裏口に寝かせ、赤井に連絡を取る。

(赤井さん)

(もう気絶させたのか?)

(はい。ついでに裏口にいたネズミ達も片付けました)

新一が作った二人専用の通信機で連絡を取り合いながら互いの居場所を伝える。この通信機はどんな機械でも絶対に探知出来ないように工夫した物だ。だから、話した内容が2人以外には流されない様になっている。当然、赤井か新一以外立ち上げられない仕組みになっていた。もし他の奴が操作したら壊れるだろう。

とりあえず合流ということになり、新一は赤井に指定された場所に気配を消して動いた。
途中、後ろを付けられているような気配に気付き、相手が誰でも気絶させるつもりで影に隠れる。
新一が影に隠れていると、新一を探しに来た何人かの手下共が新一の前に現れた。だが姿に気づいてないのか、あたりを見渡している。新一が姿を出して奴らを片付けようかと思ったが、次の瞬間ライフルの音がして、テロリストの手下共が倒れた。
何事かと思い音がした方を見ると、ライフルを抱えた赤井が立っていた。

「ボウヤ、大丈夫か?」

「はい。でも、ヤバイですよ・・・」

銃声を聞きつけたテロリスト軍団が、ゾロゾロと現れた。あっという間に囲まれ、赤井と新一は背中合わせになる。二人とも截拳道を身につけているため、手下共は数秒で倒せた・・・が。

「ちょっと待った。こいつがどうなってもいいのか」

いかにもテロリストのボスっぽい男が、ジョディを人質に取り銃を向けていた。
新一は少し苛立ち舌打ちをすると、何故かボスが腕抑えている。

「もう、新一君!危ないじゃない?」

ジョディの声掛けによって、無事なのを確認した赤井が気絶で済むぐらいの蹴りを加え、ボスを気絶させた。
気絶してる間に、ロープとガムテープで逃げられなくして、ボスを連れてFBI本拠地に戻ることに・・・。

ジョディ達を気絶させてしまった事で少し怒られたが、任務は成功したのでとりあえず一息をつくことになった。
新一は任務中の時の事をテラスの柵にもたれ掛かって思い出す。

赤井と背中合わせで相手を見ていた時、少し体が震えていた。情けない事だが、赤井と一緒にいると新一は自分が弱い男だって自覚させられてしまう。何故なら新一は、大分前から好きだったのだ。
赤井と言う男が・・・。



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