マイフレンド C

□F
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翌日、赤井さんは朝早くにシェアハウスから出た。
出る前に赤井さんが俺に言ってたのが・・・。

「無事に帰って来れたら、新一に伝えたい事がある」

と言う意味深な言葉だった。
とりあえず俺は、服部と出かけるため準備する。
あっ、言うのを忘れてたな。
実は昨日・・・

「大阪で事件発生しただと?」

「そうなんや工藤。俺もさっき電話で大滝ハンに聞いたんやけどな。
出来るなら工藤もどうや?て思うて。最近東京での事件少ないって聞いとったし」

という訳で事件という名の餌に、まんまと俺は食いついたのだ。


準備が整った俺は、迎えに来てくれた服部と一緒にシェアハウスを出る。鍵を締めるのも忘れない。
今からは探偵業なので、気を引き締めて探偵の顔を作る。

「んで、服部。どんな事件何だ?」

「あぁ。実はな、工藤。
最近大阪の方で連続殺人が起きとって、もう3人も亡くなっとるらしいで」

「それで?容疑者に目星は付いてるのか?」

「あぁ、付いとるらしいで」

ついつい深く聞いてしまうのは、探偵の性という所だろうか。
俺は大阪につくまでずっと、服部に事件の内容を聞いていた。

大阪に着き、とりあえず事件現場に向かった。
そこには、担当の大滝警部が居て、何故か服部のお父さんまでも居た。

「こんにちは!大滝警部に、大阪府警本部長」

俺が2人に挨拶すると。

「おぉ、高校生探偵の工藤新一君やないか。うちの馬鹿息子がお世話のなっとるな」

「いえいえ、僕の方も息子さんにはお世話に成ってますし」

「工藤くんも平ちゃんも、久しぶりやなぁ。どうや?学校の方は」

「楽しくやっとるで、俺も工藤も」

挨拶もそこまでにして、事件の概要に入る。

「なるほど」

「それやったら、犯人は多分」

服部も俺と意見が揃ったらしく、不敵な笑を浮かべる。

それでも容疑者3人に、俺達も話を聞いた。
1人目の容疑者、東山美里さん。

「昨日も警察に聞かれたんやけど、うちは本間に何もしとらんのよ。確かにあの3人とはちょっと喧嘩しとったけど、その日は1人で酒飲んどったて」

2人目の容疑者、美山凛子さん。

「えぇ。私も、被害者3人とは知り合いでしたけど、その日は1人で家にいましたから」

3人目の容疑者、藤本美結季さん。

「うちは、その日家でレポートを仕上げていたんやけど、その日に三人目の被害者の優子に呼ばれて行ったら死んどって、どないしよう思うて逃げてしもうただけやで」

と、3人ともアリバイは無く、やっぱり俺達が目星を付けた犯人はあの人だった。

状況証拠を見つけるために、部屋の中を探す。

「良し発見。そっちはどうだ?服部」

「んー?俺の方も見つかったで、工藤」

「良し、じゃぁ」

「推理ショーと行くかいな?」


早速大滝警部に頼み、容疑者3人を事件現場に連れてきてもらい、推理ショーを始める。

「犯人がわかったって本当なんか?平ちゃん」

「あぁ、もちろんやで大滝ハン」

「とりあえず、昨日起きた最後の事件から、種明かしですね」

俺は、部屋から出て、服部に鍵を閉めてもらい俺はさっき見つけた地下室を通り、さっきの部屋で服部が見つけた隠し通路から出る。

「つまりや。この隠し通路を知っとんのは被害者3人と、あんたしか居らんのんや。美山凛子さん」

皆の視線が一気に集まり、美山さんが否定する。

「それだったら誰にでもできるじゃない。それに、私は昨日1人で家に至って言ったやない」

「関西弁?」

凛子さんと、俺達以外の皆が驚いて言う。

「凛子さんは小さい頃、大阪に住んでいたんですよ。だからそれを知っている被害者3人を、口封じに殺してしまったんですよね?
でも、本当は殺したくなかった。大好きな血のつながった姉妹を」

そう、さっき地下室で見つけた写真を凛子さんに見せながら俺は言った。
凛子さんは俺が見せた写真を見ながら、泣いていた。


最終電車を逃した俺は、流石に止まる術もなく、服部に誘われて服部の家にお邪魔することになった。

「まぁ上がりーや。大したお構いも出来へんけどゆっくりしてってや」

服部のお母さんにそう言われ、俺はお言葉に甘えて、家に上がらせてもらう。
凄く豪華なご飯をご馳走してもらい、俺は服部の部屋に行った。

「どうや?工藤。少しは気分転換になったやろ?」

「まぁな!ありがとう、服部」

「ええんやで!久々に工藤と推理出来てよかったわ」

なんてたわいない話をしながら、夜が更けて行った。

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