マイフレンド C

□C
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新一side

蘭たちと入れ違いに赤井さん達が帰ってきて、俺も黒羽と一緒に玄関に行って、おかえりなさいの挨拶をした。

「帰りました。新一くん、快斗くん」

「ただいま、ボウヤ。快斗君」

赤井さんはいつも通り、俺のことをボウヤと呼んでくる。けれど、他の人と違うあだ名が嬉しかったりする。けど、いつも通り俺は赤井さんに言い返す。

「何で俺だけボウヤ何ですか?赤井さん」

「ボウヤはボウヤだ。それとも、新一くんと呼んだ方が良いかな?」

そう言って、俺の顔を覗き込まれて俺は、真っ赤になりながらも答える。

「ボウヤでいいです・・・」

「工藤も、赤井さんもご飯にしようぜ」

そう黒羽に声を掛けられ、二人でリビングに向かう。
いつも通り、俺は赤井さんの隣に座る。今日は和風系の料理だけど何で・・

「魚が無いんだろ・・・」

「工藤くん、それは」

「工藤?今何か言ったかな?さが付くものを」

黒羽が笑みを浮かべながら、俺に聞いてくる。シャーロックホームズファンで探偵の卵でなくても、理由はわかった。
黒羽は魚が嫌いなんだな。

「ごめん、黒羽。今後その名前は出さねぇ様にするな?」

「サンキュ!工藤。そ言えば、この苗字呼び、どうにかしねぇ?工藤」

「そうだな。いつまでも苗字呼びっつーのもなぁ」

「じゃぁ、新一って呼んでも良い?」

「あぁ。じゃぁ俺も快斗って呼ぶな!」

俺と快斗は笑い合いながら、言葉を交わす。

「君たちいいですね。僕も名前で読んで欲しい・・・」

「降谷さんを呼び捨てなんて、できませんよ」

「ほんと!」

「じゃぁ俺・・・」

「「却下」」

驚く程に意見が合う俺達は、一緒に笑う。隣に座っている赤井さんが優しい目で俺を見ているのを知らずに・・・。


ご飯を食べ終わった後、快斗に話があるって言われて俺は快斗の部屋に一緒に行った。

「快斗、話ってなんだ?」

「あぁ、それな。俺さ、赤井さんの事が好きなんだ。新一と一緒で」

「えっ?」

「ごめん、今日蘭ちゃんとの会話立ち聞きしちゃって。俺さ、赤井さんに何回も告白して振られてるから、もう諦めるんだ。赤井さんの事。
だから、俺が新一の事応援するよ。新一は幸せになるべきなんだからさ」

「快斗・・・」

寂しそうに告げる快斗に、俺は返す言葉も無くなる。もしかして、俺の過去の事まで知ったのか?快斗の奴・・・。

「快斗。もし俺の過去の事知って言ってんのなら・・・」

「違うよ、新一。確かにそれもそうだけど、新一は本当にいい奴だと思うし、絶対に幸せになって欲しい。それこそ、亡くなった恋人さんの分も精一杯。恋人さんもそう思ってるんじゃないかな?」

快斗に言われて、俺はお礼を言った。情けないけれど泣きながら。

この時ドアの向こうで、誰かがこの会話を聞いていることを俺達は知らなかった。

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