マイフレンド C

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この春兼ねてより志望していた東都大に合格した俺は、家を出て東都大学の近くにあるシェアハウスに住むことになった。

両親にもちゃんと了承を得ているから、学校が始まる前に引っ越す事にした。


キャリーケースを引こずりながら着いた場所は、White house≠ニ書かれているシェアハウス。
今日からここが俺の家。
家より少し小さいけれど、家よりも綺麗な家で・・・。
俺は、ドアを開けて家に入る。

「あっ、いらっしゃい。今日からここに住む工藤くんだよな?
俺は黒羽快斗。よろしく」

俺と少しばかり、・・・いや、すごく似ている奴が、青い薔薇を差し出してくる。

「すげぇ、マジックできるんだな。俺は工藤新一。よろしく」

薔薇を受け取り、家の中に入る。
キャリーケースを持ち上げて家の中に置くと、黒羽が持ってくれる。

「重いだろ?俺が持つよ。
部屋はこっち」

俺は靴を脱いで黒羽の後を付いていく。
リビングを過ぎると、部屋が四つあり部屋のドアの所に名前札が掛かっていて名前が書かれている。
手前にある名前札が掛かってない部屋に、黒羽が入って行ったので俺も後に続く。

「ここが工藤の部屋。名前札は俺が後で作っとくからな。
あと、2人此処に住んでいる人いるんだけど、多分八時ぐらいじゃないと帰ってこねぇから。
帰ってきたら紹介するな!」

荷解き手伝おうか?と言われたけど、断って俺は部屋の扉を閉じる。
キャリーケースを開けると、服の上に写真立て出てきた。
それは以前付き合っていた恋人とデート場所で撮った写真。
中学生の時、本気で惚れた相手で、俺が十四の時に、事件現場で亡くなった松田さん。

松田さんが亡くなってから、俺はもう恋なんてしないって思った。
恋の終わりがこんなにも悲しいのなら、恋なんてしたくない。

なのに、何で運命ってこんなにも残酷なんだろう・・・。


荷解きをし終ったのが、夜八時。
黒羽に呼ばれて、リビングに行った。

「君が、工藤新一君か」

話しかけられて、俺が声をした方を見る。そこには、俺が初めて好きになった松田さんに似た男の人がいた。
顔が似てるとかそういうんじゃなくて、雰囲気が松田さんを思わせるような人。

「初めまして、俺が工藤新一です。よろしくお願いします」

頭を下げて挨拶する。
顔を見てたら、俺はこの人を好きになってしまう。
恋なんてしても、幸せになれないから。特にこの人は危ないと、心が危険信号を出している。

「工藤、この人は赤井秀一さん。FBI捜査官なんだ。
もう一人は・・・」

「快斗くん、この子が新しく入ってきた子かい?」

「安室さん。そうですよ、こっちは工藤新一。工藤、こちらは降谷零さん。探偵のたまごなんだって」

「初めまして、工藤新一です。よろしくお願いします」

俺は、降谷さんにも挨拶をする。
4人でリビングに移動して、安室さんと快斗が用意してくれたご飯をみんなで食べる。

「こうやって、他の人と食べるの久しぶりなんで凄く美味しいです」

涙目になって微笑みながら、1口、2口と口に運ぶ。

「それは良かった。新一君に気に入ってもらって何よりです」

安室さんが笑いながら言ってくれる。黒羽もその隣で微笑む。

「ボウヤは可愛いな」

俺が隣でご飯を食べていた赤井さんが、そう言って俺の頭の撫でる。

「赤井さん、子供扱いしないでくださいよ。俺もうすぐ19になるんですよ?しかも、あだ名がボウヤだなんて」

「ボウヤはボウヤだ。俺よりまだ十歳も若いだろう」

赤井さんに微笑まれて、俺はドキっとした。
やばい、俺この人に・・・。


惚れちまったかも。






〜あとがき〜
何かシリアス気味?
取り敢えず設定は、赤新です。
そんでもって、赤←快と降→新も追加しております。
ハッピーエンドにはしたいんです。新一くんは亡くなった松田さんをまだ思い続けているため、少し難しいんですが。設定上、もう赤井さんに惚れていますので、頑張りたいと思います!

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