マイフレンドD

□〜君と僕が幸せになれる方法〜 第14話
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妊娠発覚して、それを警察学校の先生に相談すると、最初は驚かれたが、零の胎の中の子供に影響の無いように、配慮してくれると言うことで一段落した。
技術の方は剣道を選んで居るため、毎日励んでいる。最近は、拳銃の扱い方を教えてもらい、同期たちは拳銃を使った練習をしている。
「零ちゃん、体調大丈夫なのか?まぁ実習に参加しているから大丈夫だろうと思うけど、無理はすんなよ!」
以前スコッチと呼ばれていた男、谷本健二が話し掛けてくる。零の体調を聞いてくるので、大丈夫だと応えようと思ったが、時間が迫っているのか、拳銃が置いてある位置に戻り、実習を始めた。
零と秀一も、耳にヘッドホンをつけ耳を庇うと、手慣れた手付きで拳銃をセットし、決められた場所を的確に打っていく。ライフルを使える秀一にとって、拳銃は使いにくいとは思うが、全弾的に当たっている。拳銃の扱いも見事な事だ。零はそう思いながら、秀一に負けないように集中して的を打つ。
集中して標的を打っていると、先生から辞めるよう指示が出て持っていた拳銃を置く。
「赤井、降谷、ちょっとこっちに来てくれ」
先生からの指示が出て、真ん中に居る秀一の元に向かう。
「2人には、見本を見せてやってほしい。全弾的に的中していただろう‍?みんなは休憩しながら見ていてくれ」
零と秀一は先生に言われたとおり、真ん中にある拳銃が置いてある所に立ちヘッドホンを掛け直して、拳銃を持つ。零は弾丸を補充して拳銃を構えた。
的に向かい的確に銃を打っていく。
秀一も同じ様に拳銃を構えて何発も当たる確信があると言うように打っていく。
十分くらいぶっ通しで標的を打った。先生からの指示が出て、拳銃を元あった場所に起き、ヘッドホンを外した。久々に拳銃を打ったなと、2人で思っていると、指導の先生からの指摘が来る。
「二人とも、銃の扱いは上手だ。ほかの授業でも頑張りなさい。見学していた君たちは、このふたりにコツを教えて貰っておけ。以上だ」
「「「ありがとうございました〜」」」
先生にお礼を言い、次の授業場所へ向かう。

それから、3ヶ月が経ち警察学校を無事に卒業した。警察学校の中で1番優秀だと言われた零達は希望していた公安に所属が決まった。
「零ちゃん、公安だってな。俺は希望通り萩原と一緒に爆発処理班に所属が決まった。皆それぞれバラバラで驚いたな」
「そうですね、松田さん」
「だから陣平でいいって言ったろ?秀一、零ちゃんを守ってやれよ‍?こいついっつも無茶ばっかりするからな」
「あぁ、知ってる。今は1人の身体じゃ無いから余計に心配なんだが、どうもうちの嫁は無茶ばかりしてな」
「あ〜わかったわかった。惚気は良い。子供が産まれたら連絡くれよー!仕事休んで赤ん坊の顔を拝みに行くからな」
松田にも秀一にも無茶をしていると指摘され、しょぼくれる零を後ろから抱きしめて、お腹を撫でながら秀一が一人の体じゃないという事と少し無茶をするのをやめてくれと伝えられ、零は頷いた。双子のせいか、普通の臨月の妊婦よりお腹が大きくなっている。
いつも通りの行動は出来ないし、病院には入院を勧められているが警察学校から卒業するまで待ってくれ、と病院側の方に訴え、入院は先延ばしになっている。
そんな体で無茶をするものだから、谷本や伊達達にも凄く心配している。その中で1番心配しているのは、子供の父親で零の旦那である秀一だった。それはもう毎日の様に子供は大丈夫か、だとか、身体‍は大丈夫か、だとか・・・。
「零、体調大丈夫か?車まで歩けるか?」
こんなふうな事を言うのはざらだ。零は秀一の態度に苦笑しながら、大丈夫だと告たが零の言葉はまるっきり聞いていないようで秀一は零をお姫様だっこして、車まで運んだ。

警察学校の方から配慮してもらい、零が公安の方で働くのは1年後の春になるそうだ。子供が1歳を迎えて保育園に預けられるようになったら、と言うことで零はその事に少し反論したが、無言の秀一からの視線に怯えて反論はやめた。
まぁそんなこんなで、秀一は先に公安に配属された。前の時なら、来年の今頃には・・・いや、前の時より5年も早く産まれたのだから、5年後になるのか。
そして零は病院に入院する事になった。
「赤井零さん、検温のお時間ですよ」
零の担当の看護婦が零に体温計を渡しながら検温だと伝えると、零は笑顔で体温計を受け取ると、計るために体温計を脇に持っていく。
「それにしても、いつ見ても綺麗ですよね、赤井さん。旦那さんもイケメンだし」
「ありがとうございます。私、彼とは同級生なんですよ」
「えーっそうなんですか‍?年の差婚かと思ってました。赤井さん、まだ高校生卒業したくらいかなって思ってたんで」
「童顔なんでよく間違えられますよ。お酒を飲みに彼とバーテンに言った時も、学生は駄目だって止められましたから・・・。もう二十四だっていうのに」
零は笑いながらその時のことを思い出す。あれは警察学校に通う前だった。秀一が久々に飲みに行かないか、と誘ってきたので零も行きましょうか、と言って近くのバーテンに向かった。
「バーボン1つ」
秀一がかつて零のコードネームだった酒を頼むから、零もライを頼もうとしたら・・・。
「駄目駄目!君まだ未成年だろう。そんな強い酒は出せないよ」
と真顔で言われた時には、秀一が隣で爆笑した。零はなんとか身分証を見せて納得させると、やっとライウイスキーを出される。
「それにしても・・・ふっはは」
「・・・笑い過ぎですよ。赤井」
「すまない、あまりにも可笑しくてな。でもそれだけ、零が若く見えるということだよ」
「・・・もう!秀一さんったら」
膨れているのが嫌になって、ウィスキーを一気に飲んで、秀一の肩にもたれかかった。
秀一に若く見えるという事だと言われて嬉しかったのも事実で、その記憶は覚えていた。

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