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□キモチ
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銀髪、天パ、あの変な模様の着流し。
団子屋について真っ先に目に入ったのは、俺の想い人である奴だった。
「よかったですねィ土方さん、旦那いるじゃねェですかィ。」
あら奇遇だァとほくそ笑む隣のサド。
「声かけてきたらどうなんですかィ?」
言われなくても分ァッてるよ。
内心愚痴りながらもチラッと奴の見ると、こっちに気づく様子もなく、おいしそうに団子を頬張っている。
そんな姿も可愛く見える俺ってどうかしてんだろうか。いや、してる。
「...なにしてんだ。」
やっとかけた言葉はいつもと変わらずぶっきらぼうで、喧嘩腰だ。
隣でこれだからヘタレは...とため息が聞こえるが、やっぱり無視だ、無視。
「あん?...お、多串くんじゃん。なにしてんの。」
俺を見た途端若干眉間に皺を寄せ、奴もいつものように俺をあしらう。
「お前と違って仕事だ。」
万事屋の隣に座り、じじィに団子と茶くれ、とだけ言う。
「何がお前と違って、だよ。銀さんだってお仕事してんだよー。」
ぱくり、と最後の団子の一口食べて俺と同じように
団子くれーと頼む。
「銀さァん、頼んでくれるのは有り難いが、ちゃんとお駄賃は払ってくれるんだろうねぇ?」
団子屋のじじィが言うと、こいつに全額つけといてーと俺を指さす。