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□ねぇ!
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私には、好きな人がいます。


一応、付き合っています、一応。






「ハナ、行くわよ」


「あ、待ってよリリー!」




新しく買った髪飾りを髪につけ、

リリーの後を追う。




「おはよう、リーマス」

「おはよ!」

「ああ、リリーにハナ、おはよう。

ハナ、新しい髪飾りだね。似合うよ」


リーマスが、私を見て優しく微笑む。
気づいてくれたのが嬉しくて、私の頬も緩む。


「本当?リーマス、ありがとう!
おはよージェームズ」

「…おはようポッター。」

「おはよう、ハナ。
ああ、リリーじゃないか! キミは今日も美しい…」

「はいはい、ありがとう。」


ジェームズをさらりとかわすリリーに
リーマスが笑いを溢す。



「あ、シリウスおはよ!」

「よお、ハナ」



ひらひらと手を振って見せるこいつこそが

私の彼、シリウス・ブラック。




「ねぇ、シリウス!」

「あ?なんだ」

「こっち見てー」

「あー、おう。」



ちっともこっちを見ず、興味無さげに答える。



「……シリウス!」

「あーうるせえな、なんだよ」



耳元で叫んでやれば、迷惑そうに振り返る。




「……ねぇ、これ、新しい髪飾りなの!
どうかな?」

「…」


ずい、と顔を近づければ奴がヘラリと笑う。


後ろで私たちを見る3人は、

またか、なんて笑っている。




「シリウス…可愛いっていってよ。」


頬を膨らませて近づけば、観念したように手をあげる。



「…そうだな、いいな、可愛いな」


ニヤリ、奴が笑う。

単純な私は、それだけで満足してしまった。



ね ぇ !

(( 私が聞く前に可愛いって言ってよ! ))


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