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□変わらぬふたり
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家につくと、フレッドが家の中を駆け回る。
「何よ。そんなに珍しいものでもあった?」
「ハナ、一人暮らしなんだな!」
「うん、そうだよ。
実家は日本だし…ほら、こっちには
フレッドとの思い出が沢山あるから、離れがたくて…」
ふ、と笑って見せればフレッドが感心したように言う。
「いまでもそんなに想われてるなんて…
泣かせるよな。」
「…バーカ。」
べー、と舌を出してやれば不満そうな顔。
「そうだ、アンジェリーナと相棒、結婚したんだって?」
「え…、聞こえていたの?」
驚いて顔を上げると、得意気な彼の顔が目についた。
「ああ。
毎日来てくれてんのも、見てた。」
「…そう、」
「……ま、正直俺は相棒と結婚するのは
ハナだと思ってたんだけどな。」
ケラケラと笑いだす彼を睨めば
「冗談だって」、と焦った顔。
「ねぇ、フレッド。」
「なんだい、ハナ?」
「いつまで、此処にいられるの?」
「…それは、俺にもわからない。」
「そっか…、」
「…ハナ、せっかく会えたんだ。
そんな暗い顔しないでくれよ」
な、と笑う彼に促されて私も笑った。
変 わ ら ぬ ふ た り
(( まるで、あの頃のまま ))
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