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□ああ、キミは
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「やあ、ハナ」
「あらフレッド、おはよう」
ニコリ、彼女が笑顔で俺を振り返る。
「今日も可愛いな」
「はいはい、ありがとう」
まただ。
今日もまた、彼女は俺をさらりとかわす。
そんなの慣れっこなはずなのに、俺の胸は
何故だかチクリ、と痛む。
「あ、ハーマイオニー!」
「ハーイ、ハナ」
ニコニコ、ハナが俺には向けない笑顔を
ハーマイオニー・グレンジャーへ向けている。
二人の様子を伺っていると
ハーマイオニーが俺を指差して話しだす。
「あの、…ハナ?
彼、あなたに用があるみたいだけれど」
「知らないわ。
どうせまた、私をからかうつもりなだけよ」
ハナは、その言葉を投げ捨てると同時に
俺に背を向けて歩き出した。
あ あ、 キ ミ は
(( 一体、いつになったら
俺が本気だとわかってくれるんだ? ))
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