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□その段差と、少しの勇気が
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談話室へ向かう階段で、
僕の好きな子、ハナが上から叫ぶ。
「ねぇ ロン!そこから5段、上がってきて」
「5段? なんでだよ」
「良いから早く!」
「あー、わかったよ。
わかったから、少し静かにしてくれ」
ゆっくりと5段上がって彼女を見れば
その距離、僅か3センチ。
「…ハナ、近いよ、」
「ロン、好き。」
小さく呟いたその声が、僕の頬を赤く染める。
「……ロン?」
「ハナ! ぼ、僕も好きだ!」
つい、大きな声で叫んだ僕を
ハナが、嬉しそうに笑った。
そ の 段 差 と 、 少 し の 勇 気 が
(( キミと僕の距離を0センチにした ))
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