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□さよなら、初恋
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忙しなく動き回る彼女を目で追うのは私の想い人、ロン。
「…ハーマイオニー?」
「…っは?!」
彼女の名前を出せば、ロンの肩が揺れる。
「ずっと、目で追ってるよ。」
「そんな…」
そんな赤面したって、私はあなたの好きな人じゃない。
ねぇ、ハーマイオニー、気づいてあげて。
好かれてるんだよ、
ロンは、貴女が好きなんだよ。
「なぁ…僕、どうすれば良いんだ?」
「…え。」
「告白…してみようかな…ハーマイオニーに…」
力なく笑うロン。
" 行かないで " なんて、言えないよ。
私は、ロンの彼女なんかじゃない。
ただの、友達。
だから、
「…ロンならできるよ。」
って、今までで一番、最悪な作り笑いをして
彼の大きな背中を、そっと叩いた。
さ よ な ら 、 初 恋
( 泣いて見送る、なんてことはしないから )
(( 彼が残した " ありがと、" に 胸が苦しくなった ))
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