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□風邪という幸せ
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「ジョージ、大丈夫?」
「ん、まだちょっと…」
僕が風邪を引いたらしい、と
相棒から聞き付けて、すぐに
駆けつけてくれたのは、ガールフレンドのハナ。
「ジョージ、何か食べれそう?」
「少しなら…」
「そっか。
お粥、作ってきたから食べよっか」
「ん…」
ゆっくり起き上がれば、小さな鍋を置いて
ハナが僕を支えてくれる。
「ねぇ、…ハナ」
「なに?」
「風邪のときは、あーん…してくれるんだよな?」
珍しく甘える僕に、少し顔を赤らめた後
スプーンにお粥を掬う。
「ジョージ、あーん…」
「ん…」
「…どう?」
少し照れながら聞いてくるハナに、もう1つ我儘を。
「…後、ハナが " ジョージ大好き "
って言ってくれたら風邪なんて治りそー…」
ちらり、と彼女を見れば、真っ赤になりながらも
まっすぐに僕を見た。
「……もうっ、
ジョージ、大好き!」
うわ…良いね、風邪。
風 邪 と い う 幸 せ
( ずっと風邪でいたいくらいだ )
( バカ、はやく治してよ )