零番目の罪
□prologue
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誰か…誰か教えて。
「おいこいつ、まだ生きてるぞ」
「しぶといなー。何度殴ればくたばるんだ?」
光の差さない真っ暗な世界で、赤いろうそくを持ちながらゲラゲラと下品な声で笑う男たち。
自分の身体から溢れる血の匂いと、錆びた鉄の匂いが充満した部屋。
僕が一体何をしたというのか。
いつから僕はここにいるのか。
誰か、どうか教えてくれ。
ーーガンッと大きな物音がして、壁に穴が空いた。
光が僕を射す。
「迎えに来たぞ、ノア」
太陽のような笑顔が、僕に向けられた。