BOOK(ちーかい)
□朝(ちーかい)
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「ちーさま」
「なあに?」
「ちーさま」
「なあに?」
「ちーさまぁ」
「どしたの?」
「……ちーさま」
だんだんと私の名前を呼ぶ声が小さくなる。
こんな時の彼女は、何かしら不安を抱えている。
…これといった的確な物も無い、ただただ漠然とした不安を感じる。
仕方ないコトだと思う。先日大劇場の幕が開いたばかり。
「今日は、お休み?撮影とかは?」
髪を梳きながら尋ねると小さく首を横に振る。
「私、午後から打ち合わせだから」
言うと今度は小さく首を縦に振る。
「…お昼までゆっくりしてよっか?」
そう私が言うと、かいちゃんがやっと顔を上げる。
「ちーさま?」
「頑張ってるかいちゃんにご褒美。たっぷりちーさま補給してあげる。」
「///…っ。 ちーさまぁ」
「ほら、奥詰めて」
ベッドの端でくっついてた私たち。
かいちゃんを奥に追いやって、一度は起き出したベッドに潜り込む。
ついでに愛しい恋人の頭を抱えてあげる。
「…はぅ。イケメン///」
照れるかいちゃん。