BOOK(ちーかい)

□朝(ちーかい)
1ページ/3ページ

閉めたカーテンの隙間から、わずかに朝の光が差し込む頃ー。



「………ん。」



目を覚ました私は、ベッドの端に腰かけ、ヘッドボードに置いてあったスマホで時間を確認する。
すっかり時計を見る習慣が無くなった。


「5時…」


起きたついでにトイレにでも行こうかと、ベッドから立ち上がる。が、立ち上が…れない。


「え?」



見ると、私の腰にいつの間にか可愛らしい恋人の腕が絡まっている。



「かいちゃん」
かいちゃんは私の腰にしがみついたまま、目を瞑っている。


「ごめんね、起こしちゃった?」


私は身体の向きを変えてそっと茶色いふわふわの髪を撫でる。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ