BOOK(ちーかい)
□朝(ちーかい)
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閉めたカーテンの隙間から、わずかに朝の光が差し込む頃ー。
「………ん。」
目を覚ました私は、ベッドの端に腰かけ、ヘッドボードに置いてあったスマホで時間を確認する。
すっかり時計を見る習慣が無くなった。
「5時…」
起きたついでにトイレにでも行こうかと、ベッドから立ち上がる。が、立ち上が…れない。
「え?」
見ると、私の腰にいつの間にか可愛らしい恋人の腕が絡まっている。
「かいちゃん」
かいちゃんは私の腰にしがみついたまま、目を瞑っている。
「ごめんね、起こしちゃった?」
私は身体の向きを変えてそっと茶色いふわふわの髪を撫でる。