月曜日にはスミレの花を
□第1話
2ページ/9ページ
「おかえり、リネット。花はちゃんと届けられたかい?」
リネットが帰宅するなり、母のリリアンが嬉しそうに駆け寄ってきた。
「うん、喜んでくれたわ」
「そうかい、良かったね」
同様に嬉しそうなリネットの様子に、リリアンは一層笑みを深める。
「帰ってきて早速で悪いんだけど、あたしは今から出かけてくるからね、店番を頼めるかい」
「うん、いいわよ」
「よろしく頼むよ。夕方には帰るから」
リリアンはお気に入りだと言う茶色い帽子を被ると、足早に出かけていった。
「行ってらっしゃい――!」