月曜日にはスミレの花を
□第5話
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「あの、本当に大丈夫ですか?」
「うん、触った瞬間は痛かったけど……もう治ったからね」
リネットは申し訳無さそうに俯く。
「マルクル、お湯を沸かして」
「はい、お師匠様」
マルクルと呼ばれた老人は、ケープを脱いだ。すると、その姿はみるみるうちに可愛らしい男の子へと変わる。
「え――?」
リネットは目をぱちくりさせた。
「ああ、魔法なんです!」
マルクルは嬉しそうに言う。
しかし、それを遮るように男が口を開いた。
「それで、僕に渡したいものって?」
「え?」
男はにこにこと鞄を見る。
「魔法使いハウルに、女性からプレゼントがあるんでしょう?」
「えっと――」
困惑するリネットに、男はにやりと笑った。
「ああ、ごめん。――僕、ハウルなんだ」
リネットは目を見開いた。