とある神官さま!!

□想い出エイローネイア
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「それじゃあ失礼します。」

「えぇ、ご苦労様。パキア。」

ペコリと頭を下げる青年に
いつもどおり労いの言葉を掛けると
柔らかい笑みを残して去っていった。
その背が見えなくなってから
隠れている人物に声を掛ける。

「シジフォス様。
 普通に来てくださいよ。」

「彼は、パキアはどうだい優斗?」

「よくやってくれてます。
 正直かなり助かってますよ。」

「そうか。」

振り替えればいつもの笑顔。
美しい金色の翼が夕日に眩しくて
表情に気を付けながら目を細めた。

もともと、パキアは聖闘士候補生だった。
しかし、聖闘士の宿命に対する
恐怖心に打ち克てなかった彼は
聖衣の授与前に脱走を図った。

エルシドに処刑されかけた所で
シジフォスがとりなして事務官として
聖闘士のサポートへ回らせたのだ。

「パキアが気になるなら直接
 声を掛ければ良いでしょう?」

「それではエルシドが気まずい
 想いをしてしまうだろう。
 パキアの師は彼なんだからな。」

「そうですね。
 エルシドも表に出さないだけで
 弟子や仲間の事を想う人ですから。」

「あぁ。」

「ならば、なおのこと
 彼も一緒に連れてきて下さい。
 パキアも喜びます。」

あの子は今でもエルシドを恐れながらも
憧れ、慕っているのが判るから。
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