とある神官さま!!

□無自覚ハニー
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闘技場近くの森で見知った姿を見つけた。
……………と思ったので呼んでみる。

「テーンマー!」

「あ、優斗さん!」

呼べば軽快に走ってくるこの少年は
やはり天馬座の聖闘士候補生だ。
イタリア出身なのだが、顔立ちや
名前は東洋系、それも自分と同じ
日本人らしいものだから、ついつい
私も気にかけてしまうのだ。

「どうしたの、随分どろどろだね。」

そう。
一目で彼と断言出来なかったのは
テンマ自身の恰好が問題だった。


髪から靴の先まで全身真っ黒だ。

 
いくら修行だとしても、普段は
ここまで真っ黒にはならない。

「あ〜……。」

言いにくそうに頭をかくテンマに
だいたいの予想は出来た。

(他の候補生の嫌がらせか。)

東洋系のテンマは小柄だ。
それ故、潰しのターゲットになりやすく
度々絡まれているのを見た事がある。

…まあ、尤もテンマの事だから
キッチリ返り討ちにしている筈だから
心配は殆どいらない。

「とはまあ、いつまでもその恰好じゃあ
 辛いだろうからついておいで、テンマ。」

「おうっ!サンキュー、優斗さん!」
 
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