とある神官さま!!

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どうやら選ばないと帰れないらしい。
悪徳商法か。

「優斗、諦めろよ。」

マニゴルドがニヤニヤと諌めてくるが
彼は真顔の作り方を忘れたのではと
いい加減心配になってきた。

「諦める、ねぇ。」

「お師匠にゃ勝てねぇって。
 ほら、俺が積尸気教えてやるよ。
 サッサと俺に決めちまいな優斗。」

「なっ!?優斗、積尸気なら
 私だとて使えるぞ!
 そいつとはいわば同門だからな。」

マニゴルドが私の肩に手を回した途端
シオンがやけにいきり立った。

「優斗、護身ならば私の
 クリスタル・ウォールが良い。」

「いや、わしの廬山百龍覇が…。」

「童虎、悪いけどそれだけはない。」

「……優斗。」

ここぞと便乗してきた童虎を一蹴する。
無理に決まっている。

「てか、マニゴルド近い。」

「気のせいじゃねぇのか?」

気のせいな筈もない。
パーソナルスペースありませんよ。
マニゴルド嫌いじゃないけど…。

「多分そろそろ離れた方が。」

微かに薔薇の香気が強まったから。
何気なく忠告しようとした瞬間
マニゴルド目掛けて薔薇が飛んできた。

しかも白と黒のダブル。

見事な臨終カラーだと感心していると
アルバフィカに手を引かれていた。
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