とある神官さま!!

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「で、これは一体どういう事です。」

やっとデジェルのカリツォーから
解放して貰えた私は怒りながらも
冷静を保とうと頑張っていた。
それはもう。
誰か褒めてくれ。

「どういう事と言われても
 見て判るだろう優斗。」

「判らないから訊いています。」

正確に言えば判りたくない。
が。
私の気持ちを汲み取ってくれる者など
この場にいる筈もないのだ。

「お前の修行の話だ。」

「初耳ですが?」

「先にお前が冥闘士に襲われた件で
 お前にも護身の術が必要だとなった。
 故にお前の師になると名乗り出た
 黄金聖闘士に集まって貰った。」

ちなみにデジェルは巻き添えだ。
多分。
そう信じたい。
たまに彼の宝瓶宮の書庫を借りる程度の仲だし
こんな騒動に積極的に首を突っ込むような
性格の持ち主ではなかったと思う。

それでも半数の黄金がいるって
どれだけ暇なんだと思わずにいられない。

「で、優斗よ。誰が良いか。」

「誰が良いかと言われても…。
 修行しないという選択肢は。」

「無論、あるわけないだろう。」

「…………そうですか。」

諦めるしかないらしい。

しかし。

改めて面々を見渡すと些か期待が篭った
視線がいくつも突き刺さる。


その期待が重いです。正直。


しかしながら、よりによって何故こうも
癖のあるメンバーを選んだ教皇よ。

もっとこう、いるでしょ。
アルデバランとかシジフォスとか
人を育てるのが上手いタイプだって。

「生憎、ふたりとも任務だ。」

「心の中を読まないで下さい。」

判っててこのメンバーか!
ちくしょう!
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