とある神官さま!!
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後悔先たたず。
私の返事を聞いた童虎が嬉々として
教皇の間へと向かっていったのを
止めるべきだったと今なら判る。
あぁ。
少し考えればきっと想像出来た筈だ。
襲撃事件の傷を癒す為に安静の筈の
私の前で繰り広げられるこの光景。
黄金聖闘士って余程の事態でなければ
お互いの顔を合わせないと聞いたのに。
教皇の呼び出しを受けて行ってみれば
サーシャのハの字に下がった眉。
教皇の不穏な笑顔。
並ぶ4人の黄金聖闘士。
アルバフィカ、アスミタ、シオンに
にやつくマニゴルド………。
(これはろくなことにならない。)
絶対に。
神に誓える。
………………………いやいや。
「…目の前にいたよ、神サマ。」
兎に角逃げろと私の小宇宙が
教えてくるので迷わず
踵を返そうと決めた。
「私はこれで失礼致しますね。」
回れ右をした所に人の顔。
×2。
こんな近くに人がいるとは思わず
ビックリして動きを止めたのが間違い。
「きゃっ!?」
「逃がさんぞ、優斗!」
足りないと思った。
一番煩い童虎がいないのも
おかしいとは思った。
思ったのだが。
「カリツォー。」
「デジェル…!あなたまで!!」
「すまない。」
意外な人物が加担していた。
謝りながら技をかけないで欲しい。
小宇宙に目覚めていても身体は一般人。
拘束する氷の結晶が地味に辛い。
「大人しく話をするなら解放しようぞ。
優斗。」
教皇さまの言葉に頬がひきつる。
これはあれですか。
デジェルが私をカリツォーで
拘束するのも教皇了承のものですか。
「…………………………判りました。」
「何をそんなに嫌がるのだ。」
「ご自分の胸に聞いて下さい。」
なにやら浮かれている童虎とか
これまたにやつくマニゴルドとか
良い予感の要素がないからです教皇。