とある神官さま!!

□猛虎のしつけ方
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そう。
童虎の拳を防いでくれたのは
牡羊座の黄金聖闘士シオンが展開した
クリスタル・ウォールだった。

「ありがとう、シオン。」

「このバカが申し訳ありません。」

助かったと息を吐いた私に
シオンは深いため息と共に頭を下げた。
ついでにその右手で童虎の頭を押さえ付けて。

「…シオンも毎回大変だね。」

「えぇ…まぁ……。」

地上最強の12人の戦士・黄金聖闘士。
にも関わらず一部の聖闘士は頭が弱い。
フリなのか本気なのか。
味方である筈の私でさえ判断がつかない。

「とにかく、コレの始末は私が。
 優斗殿は教皇様がお待ちですよ。」

シオンに言われて気づけば、
教皇宮を出てきてから
随分な時間が経ってしまっていた。

「そうだマズい…!」

慌てて振り向くと教皇宮からは
苛立ちを滲ませた小宇宙を感じた。

「シオン!ホントにありがとう!」

書類を抱え直して階段を駆け上る。
暫く行った所でチラリと振り返って
2人の様子を伺ってみると童虎が
白羊宮へと引き摺られている所だった。
こうなれば、童虎の末路は決まった。
シオンの事だ。
強制的に聖衣を修復するための
『供血者』にするのだろうが…
(あれはキツいと思う)



「反省しろよ、童虎。」



そしたら少しだけ
優しくしてやろうと思うから。
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