リクエスト
□恋の対局・佐為vsアキラ再び
1ページ/1ページ
芦原さんが霊感が強くてよく【見ちゃいけないモノ】を見るなんて話は聞いていたけど…霊感が人に感染るって本当だったのかな。
このところ緒方さんが忙しくて相手にして貰えないから芦原さんとばかりつるんでいたのがまずかったのかも知れない…僕にも最近【見ちゃいけないモノ】がぼんやりと乍ら見える様になってしまった…それもよりによって【彼】に…
「うわっ、と、塔矢!?何だよまたイキナリ…何だってお前いつもそうやって突然オレの前に現れるんだ!?」
「すまない…ちょっと気になる事があって…」
「気になる事?」
「あ、いや、何でも…!何でもないんだ、気にしないでくれ」
「ちぇっ、変な奴だな相変わらず」
やっぱりだ…間違いない、進藤の後ろには何かいる…白っぽくぼんやりとしか見えないけど、確かに何かが動いてる!彼は気付いていないんだろうか…?
かと云ってこんな話信じて貰えないか、無意味に彼を怖がらせるだけだ。それにアレが幽霊だと云う確信もない。
よしんば幽霊だったとしても悪いものとは限らないし、ひょっとしたら守護霊なのかも…まさか悪霊が取り憑いてるなんて云わないよな…
「だとしたら僕が進藤を護らなきゃ…」
「あ?何だって?塔矢」
「な、何でもない!ただの独り言だ(焦)」
とは云ったものの、どうやって彼を護るかが問題だ。まさか囲碁で勝負をする訳にもいかないし、悪霊なんてどうやって退治したらいいか皆目見当もつかない。取り合えず僕に出来る事と云ったら奴が進藤におかしな事をしでかさない様、睨みをきかせている位。
はぁ…こんな事で効果なんてあるんだろうか…
『ヒカル…何だかさっきから塔矢が私の事を睨んでる様な気がするんですけど…』
「まさか…アイツにお前が見える訳ないだろう?」
『ええ、ハッキリとは姿を確認してる訳でもなさそうなんですけど…私が移動すると目で追うんですよ?』
「マ、マジかよ…それってヤバいじゃん」
あの白いもや(と云う表現が適切かどうか分からないけど)僕に自分の姿が見えてるって分かってるんだろうか…?ちょっと怖いけど試してみたい気もするな。もしアイツが進藤に危害を加えようとしているのなら、彼を護る為にも威嚇位はしておかないといけない。
よし…近付いてみるか…
『あれ、塔矢来ましたよ?うわぁ、睨んでますよ…私のおなかの辺りを』
(じゃ、殆ど見えてねぇんじゃん!)
くっ…やはりハッキリ姿が見えないのは難だな。これじゃ相手が怯んでいるかどうか分からない。
強がって睨みを利かせてはみたものの、本当は怖くて今も心臓がどきど…うわぁっ!
ずざざっ
「……なぁ塔矢、お前大丈夫か?何もない処を睨んでたかと思えばいきなり後ろに飛びすさって…一回病院行って診て貰った方がいいんじゃねぇか?(汗)」
『くすくす、塔矢ったら私が両腕を広げて見せたら驚いちゃって♪』
「(何やってんだよ、佐為)
で塔矢、何処までついて来る気なんだよ。もうすぐオレん家だぜ?」
「(どきどきどきどき)
あ…せ、折角だから寄って行っても構わないか?今日は研究会も手合いもないから時間が空いてて…」
「何がどう折角なんだか…
(どうする?佐為)」
『面白いから連れて帰って様子を見ましょ♪塔矢に囲碁以外で挑まれる事があるなんて思ってもみませんでした
(うきうき)』
「(なろォ、楽しんでやがんな)
オレん家来たって碁打つ位しかする事ねぇぞ?」
う…わぁ…別の意味でどきどき…ここが進藤の部屋か…こ、このベッドで毎日寝てるんだ…(どきどき)
ハッ、い、いけない、こんな事をしに来たんじゃなかったんだ。奴は…やっぱりまだいるな…今ここでその話をしたら進藤怖がって抱きついてくれないかな…じゃなくてっ、奴を進藤と二人きりにする訳にはいかない!せめてご両親が帰って来る迄は僕が彼を護らなくちゃ!
「塔矢…お前なに真面目な顔してオレの枕抱き締めてんだよ(汗)ほんっと何しに来たんだ?お前(呆)」
「う、うるさいな、本当はキミを抱き締めたいのをこうして枕で我慢してるのに…じゃなくてっ(焦)進藤、最近何か変わった事はなかったか?」
「お前より変わったモノなんて見た事ねぇよ」
が〜んΣ( ̄□ ̄;)
か、変わったモノ呼ばわり…僕の気持ちはいつになったら分かって貰えるんだ…今日だって彼の身を案じてるからこそこうして家まで護衛に来てるって云うのに…(溜息)
こうなったら全てを話すしかない。もしそれで怖がってくれれば本当に抱きついてくれるかも!?男らしいところを見せつければ奴も進藤には僕と云うナイトがいると分かって諦めるかも?
「進藤、驚かないで聞いてくれ…気になる事とは他でもない、キミ自身の事なんだ」
「いやもうオレの事は気にしないでくれ」
「茶化すなよ!単刀直入に云おう、キミは霊に取り憑かれている!」
ヒカル&佐為
『ぎくっ』
「長時間霊感の強い人の傍にいたせいで僕にもぼんやりとだけど見える様になってしまったんだ。だからキミの後ろにいるそいつの姿も僕には見えている」
(やべぇ佐為!saiの正体が塔矢にバレ…)
ぐいっ
(お!?)
「いいかお前!進藤に姿が見えてないと思って彼に好き勝手な事をしてみろ!?僕がただじゃ済まさないからな!!特にHな事なんかしたら絶対に許さないからな!!」
ビシ!!
き…決まった!進藤の肩を抱き寄せ、幽霊相手に怯まず啖呵を切る…今の僕はちょっとかっこよかったかも。進藤も僕の男らしさにぽ〜っとなって『塔矢君、好き(はぁと)』な〜んて(どきどき)
『全然バレてないっぽいんですけど(汗)』
「(てかバカすぎ/滝汗)
おい、最後のHな事ってなんだよ(呆)オレにそんな事したがるのお前位だって!」
えぇっ!?今の僕の勇姿を見て何も感じない!?進藤不感症じゃないのか!?
うわ、心なしか白いもやまで笑ってる様に見える!?ざ、惨敗!?僕は惨敗したのか!?
「はぁ…ホント付き合ってらんないよ。塔矢、ちゅーしてやっから帰ってくれ(溜息)」
「え!?えぇっ!?ちゅ…?えええぇっ!?(どきどきどきどきどきどき)」
進藤の柔らかい唇が僕のそれに重なる。首に回された腕にほんの少し力が入ったかと思ったらその瞬間…
進藤の舌が僕の口腔内に侵入して来た…
「ん…ふ……は…ぁ…」
くちゅ…ちゅく
「んん…」
『ちょっ、ヒカル!?何もそこまでしてやる必要はないじゃないですか!!ねぇちょっとヒカル!?』
はあはあ…な、何て情熱的なキス…!進藤…僕を受け入れてくれる気になったのか!?……ん?
「あ…あれ?」
「?何だよ」
「見え…なくなった…?奴め、僕と進藤の仲を見せつけられて諦めたか!?」
『は?私はここにいますけど…?』
(どう云うこった?)
よかった…やはりアイツは進藤に想いを寄せていた未成仏霊だったんだ。僕と進藤との仲を引き裂けないと知って諦めて消えたんだ。
僕は進藤を護った!!護ったんだ!!
(自分じゃ何もしてない気もするけど)
『ひょっとして…白いもやって云うのは欲求不満が見せた塔矢の幻覚だったんじゃ…』
「(かもな…(汗)佐為を目で追ってたのだってただの偶然じゃないか?さっきビシ!!とかゆって指さしてたのだって顔じゃなくて腹のあたりだったし…人騒がせな奴)
これで満足しただろ?塔矢。オレ宿題があるからもう帰ってくれ」
「あ、何なら手伝おうか?」
「いい!いい!じゃあな、そのうちまたな」
バタン
???
何だか迷惑がって追い出された様な気もするけど…気のせいだな、きっとさっきのキスの事が急に恥ずかしくなったんだろう。可愛いな、進藤…(悦)
進藤に取り憑いた霊と闘ったお陰で彼との距離はぐっと縮まった…彼をこの手で抱く日は近い…!
《終》
◆あとがき◆
さお様2000HITリク【アキラV.S.佐為・再び】如何だったでしょうか。
アキラの空回りっぷりを更にエスカレートさせてみました。
でも本人は空回りしてる事に気付いてないので幸せそうです(笑)
椰子間は楽しんで書けましたがさお様、こんなもので満足して頂けましたでしょうか。
よかったらまたキリ番狙ってやって下さい。
読んで下さって有り難う御座居ました。
2005/01/26