WJリクエスト

□帰らぬあなたを待ち乍ら
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松田
「局長今日は遅いですね」

相沢
「次長に報告に行くっつって出て行ってからかれこれ五時間は経ってるぞ?」


いつもなら次長への報告と云うと本部からの往復所要時間+10分程で戻る総一郎が、どうした事かこの日に限って待てど暮らせど戻って来ない。


松田
「電話の一本も入らないなんて…
まさか途中で事故にでも!?」

相沢
「事故だったらこっから見えるだろ…(汗)
警察庁まで五分掛かんないんだぞ?
少しは考えてもの喋れよ」


相沢の突っ込みに顔を真っ赤にする松田。
警察庁は目と鼻の先、と云うより窓から見えている。
途中信号も一カ所しかない。



「まさか…総一郎さんの身に何か…」

相沢
「いや、だから竜崎、事故は有り得ないって…」


「そんな事を云ってるんじゃありません!
私が云いたいのは…」

相沢
「!!
まさかキラに!?」


「まさか北村次長に!?」


相沢とLの声が途中までハモった。


松田
「あの…もしもし竜崎?」


「なんですか、その目は。
松田さん、まさか知らないんですか!?
次長が私の総一郎さんに横恋慕をしている事を」

松田
「竜崎…好きな人がもててるって思いたい気持ちは分かりますけど、何を根拠にあのぽんぽこ狸親父が局長を狙ってるなんて妄想が生まれるんです?(滝汗)」

相沢
「アレ、松田お前知んないの?
局長何回か狸親父にセクハラかまされてんだぞ?」

松田
「マジですか!?」


五時間と云えばホテルのご休憩をハシゴ出来るだけの時間だ。
無理矢理拘束されてあんな事やこんな事、果てはマニアックなプレイをしてもおつりが来る。



「携帯…電源が入ってません(蒼白)」


総一郎の携帯は公用私用共に電源が切れていた。
相沢が慌てて次長の携帯へ電話をかける。


相沢
「くそっ、こっちも繋がんないぜ。
一体どうなってんだ!?」

松田
「ま、まさか局長、ホントに次長に…」


Lが気絶しそうになるのを支えて、相沢は滅多な事を云うなと松田を叱った。



「わ…私黙ってここで待っているなんて出来ません!
こうなったら北村さんに総攻撃をかけて…」


やおら武装し始めたLを泡を食って制止する松田と相沢。
警察庁へ行くのに武装はまずいが、上司の安否が気になる二人は何とかLを彼とは気付かれずに次長室へと誘導する方法を考えた。


相沢
「Lだってバレちゃまずいからな、となるとやっぱ変装させるしかないだろ」

松田
「備品室から制服ちょっぱって来ますか?」

相沢
「次長室に制服組なんか行かねぇだろ」

同じ制服組でも婦警ならどうだ、いや顔が見えないと云う点でいっそピィポくんの着ぐるみの方が…
などと口論しあっている内にLはどんどん武装を進めていく。
迷彩の上下(コンクリート仕様)にナイフ、短銃、ライフル、マシンガン、ランチャーに手榴弾と普通に危険物取り扱い法違反に銃刀法違反、個人の所持制限を遥かに越えるそれを今まで一体何処に隠していたのか…


相沢
「だあぁ〜〜〜から!!
武装はやめいっちゅうに(滝汗)」


「ぶつぶつ…
いっそワタリに戦闘機を手配させて…」

相沢
「運転手(違)つきかよっ」


「いえ、私操縦出来ますから自ら出撃…」

松田
「Σ( ̄□ ̄;)
ひょっとしてこの人、局長が絡むとキラより物騒!?」


「ぶつぶつ…
待っていて下さいね総一郎さん、今私が救出に…」

相沢
「ヤベェ、目が完全にイッちまってる!!」


と、その時―――


『竜崎、電話に出てくれ』


Lの携帯から総一郎からの着信を知らせる本人の着声が聞こえて来た。
音速を超えるスピードで携帯に飛びつくL。



「もしもしっ、もしもし総一郎さん無事ですか?
体はっ?怪我は?精神的傷は!?
い、今一体何処にいるんで…」

『♪ぴろりらぴろりらぴん…
水道橋〜水道橋〜
お降りのお客様が済んでからご乗車願います』


「そっ総一郎さん!?」

総一郎
『すまん竜崎、うるさくてよく聞こえないんだ。
もう少し大きな声で喋ってくれ』


真相を聞いてみればなんと云う事はない。
次長にどうしてもと頼み込まれ、普段は断るところだがドームでの巨人戦観戦だったのでつい夢遊病患者の如くふらふらとついて行ってしまったのだそうだ。

相沢
「信じらんねェ!!俺らが一体どんだけ心配したと思ってんだ!?
くっそ、帰ったらフクロだフクロ!!」

松田
「ホントですよ相沢さん!!
次長も局長も砂んなるほどシメてやらなきゃ気が済みません!!」


憤る二人をよそにLだけは『清原が投げ込んだジャビット君人形あげるから』の言葉にご機嫌麗しくなっていた。
《終》




◆あとがき◆

みかん様のリクで帰って来ないパパです。
ミサを拘束した器具はどこから出した!?と云う疑問がエスカレートし、銃火機まで用意させてしまいました(笑)
みかん様、リクエスト有り難う御座居ました。

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