WJリクエスト

□光源氏…?
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むかぁしむかしある処に総一郎と幸子と云う微妙な年齢の夫婦がいました。
総一郎は街で仕事をし、幸子は専業主婦でした。
ある日の事総一郎が外回り中、パソコンのバックアップアイテムを買おうとお茶の水方面から淡路坂を下り秋葉原へ向かう途中、昌平橋付近で神田川を流れる巨大な桃を発見しました。
総一郎は仕事中でしたがその大きな桃を拾い上げるとひとまず自宅へ持ち帰る事にしました。


総一郎
「幸子、こんな物を拾ったんだが家の中に運ぶのを手伝ってくれないか」


幸子はタクシーのトランクに入り切らず紐で固定された巨大な桃を見て腰を抜かしました。

幸子
「まぁお父さん、これは立派な桃ですねぇ。
早速切ってみる事にしましょう」


幸子は研ぎ澄まされた菜っ切り包丁を装備すると究極奥義で桃を一刀両断にしました。

するとどうでしょう、なんと桃の中からこの世のものとは思えない程愛苦しい男の子が産まれて来たではありませんか。
幸子は男の子の名前をアラン(ドロン)かジェームス(ディーン)がいいと云い張りましたが、総一郎は赤ん坊にしてはややサイズが大きい事から【L】と名付けました。
Lはこの微妙な年齢の夫婦に溢れんばかりの愛情を注がれたお陰で僅か五日で五歳程の大きさに育ちました。
しかし頭の中身は赤ん坊のままだったので指をくわえる癖が直りません。
総一郎と幸子の二人はLを溺愛しましたが、Lは特に総一郎に懐いていたので彼の云いなりでした。
それをいい事に総一郎はLのあまりの可愛さについついお風呂で女(?)の悦びを教えてしまいました。

そして幸子はと云うとLの可愛さのあまり女の子の様に育ててしまったので自分の事を『私』と云う様になってしまいました。
これではいけないと思った総一郎は会社を辞め、Lを連れ猛者修行の旅に出ました。
幼いLは純粋で他人の影響を受けやすく、体育会系のノリで修行する総一郎の話を体育座りで聞く癖がつきました。

そんなある日の事でした。
その日の緻密な計算で組まれた特訓メニューを消化したLが疲れ果て、いつもの様に総一郎の膝の上で体育座りで眠っているとどこからともなく不思議な声が聞こえます。


不思議な声
「LやLや、よく聞きなさい。
お前はやがて世界に必要とされる人間になるでしょう。
総一郎を助け、世の悪を挫くのです」


それは神の声でした。
Lは『総一郎を助け』のところで萌えてしまい、すっかりその気になりました。


翌朝Lが夢のお告げの事を話し『世の悪を挫く探偵になりたい』と云うと、総一郎は自分好みに育ってくれた事に大変満足しました。
そしてここに『体は子供で中身はもっと子供 名探偵L』が誕生したのです。
ただし五加皮酒を飲むと体が大人になるかどうかは定かでありません。
しかも決め科白が『ひとぉつ人の世生き血をすすり
ふたつ不埒な悪行三昧
みっつ醜い浮き世の鬼を
成敗してくれよう桃太郎』かどうかも確認が取れていません。

こうしてLは探偵になった訳ですが、彼を溺愛していた総一郎はLが危険に巻き込まれる事に堪えられず、決して彼に人前に出る事を許しませんでした。
代わりに自らが警察官になる事でLの活動をサポートしました。
しかしたった一人ではどうしても行動に制限が出来てしまいます。
そこで総一郎は犬(松田)と猿(相沢)と雉(ワタリ)を雇いました。

そして手始めに彼らが武装強盗集団『鬼ヶ島』を壊滅に追い込むと『少年探偵L』の名は世界中に知れ渡る事となりました。
こうして総一郎に大事に大事に育てられたLは『ICPOの陰のトップ』の字を不動のものとし、今日も激務に励むのでした。
とっぺんぱらりのぷう
《終》




◆あとがき◆

さて、小桜様リク『幼児Lを育てに走る総一郎』は如何だったでしょうか。
もっと生々しい子育て日記の方がよかったですか?
小桜様、リクエスト有り難う御座居ました。

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