WJリクエスト
□私を救えるのはあなただけ
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総一郎
「竜崎…あなたはどうしても私の息子をキラにしたい様だな」
L
「別にしたい訳ではありませんよ、総一郎さん。
ただ他に可能性のある者がいないと云っているだけです」
総一郎
「同じ事だ!!」
L
「そ、総一郎さん?」
総一郎
「もう沢山だ!私はこの事件を降りる」
L
「そ、そんな!
どうしたんです、総一郎さん急に…」
総一郎
「急にではない、あなたのやり方には前々からうんざりしていたんだ。
それに!!」
L
「…………?」
総一郎
「……それにもう馴れ馴れしく名前で呼ぶのもやめて頂きたい」
L
「そ…いちろ…さ…」
総一郎
「もう二度とあなたと逢う事はないだろう、せいぜいキラに殺されない様勝手に捜査を続けてくれ」
L
「そんな…
総一郎さん、待って下さい!
総一郎さ…」
総一郎
「さっき名前で呼ぶなと云った筈だ!!」
L
「そ…」
嫌…だ、嫌だ!!
どうして私を置いて行ってしまうんですか?
私はもうあなたなしでは生きて行けないのに…
あなたが私の総てなんです、総一郎さん…!
戻って…戻って来て下さい…
戻って…
あなたが去ってからどれ程の時が過ぎただろう…
私の世界は暗く閉ざされてしまった…
キラに殺されない様に?あなたが傍にいないのならこの生に一体何の意味がある?
ああ、そうだ…
私は最早生きる事に意味を持たない…
キラ、お前にこの生命くれてやろう…
あとは好きにするがいい…
L
「もしもし、さくらテレビ?
出目川ディレクターを…」
お前にくれてやるよ…
L
「Lです」
き…
…ざき
りゅうざき
総一郎
「おい、竜崎!!」
L
「そ…いちろ…夜神さん!?」
総一郎
「大丈夫か?
随分うなされていたぞ?」
ゆ…め…?
私は夢を見ていたのか…?
「怖い夢でも見たのか…?」
そうだ…この上ない怖ろしい悪夢…
あなたが私から去って行くなんて…
L
「いえ、何でもありません」
総一郎
「何でもない筈ないだろう。
可哀想に、こんなに涙を…」
私は…
泣いていたのか…
総一郎
「竜崎…私に云えない様な夢なのか?
まさか他の男とどうにかなったんじゃあるまいな?」
ほら、そうやってあなたは笑う…
私に微笑んでいる…
そう、あれは夢なのだ…
総一郎
「夜神さんなどと他人行儀に。
一体どんな夢だったんだ?」
L
「云えません?」
総一郎
「澄ました顔でこの子は…」
云えません…
云えばあなたを辛くする…
L
「ホントはね、総一郎さん。
嬉し泣きする程いい夢だったんですよ?
それなのに途中で起こして…
どう償ってくれるんです?」
総一郎
「そ、そうなのか?私はてっきり…
で、どう償って欲しいんだね。
また何か甘いものでも…ん…」
この感触、この温もり…
確かにあなただ…
私のよく知っている、私を愛してくれるあなたに違いない…
総一郎
「りゅう…」
離したくない、離さない…
あなたを抱き締める腕に更に力を込める…
唇は更に貪欲にあなたを求める…
ああ、間違いない…あなたはここにいる…
L
「償って下さい、今すぐ」
総一郎
「竜崎…」
総一郎
「償って下さい、今すぐあなたが欲しい」
総一郎
「りゅ…」
言葉が欲しいんじゃないんです…だから何度でもあなたの口を塞ぎましょう。
躰全体であなたを感じていたいんです…今私を恐怖と不安から救えるのはそれしかないのだから。
L
「あッふ…くぅ…………」
総一郎
「怖…い夢は…忘れられそう…か?」
L
「総…一郎さ…は、あ、あ、ぁ…」
忘れさせて下さい、もう二度とあんな夢を見なくていい様に…
総一郎
「私をその気にさせて…悪い…子だ。
今…夜は離さ…ないから、そのつも…りでいな、さい」
離さないで下さい、私が生き永らえる様ずっと傍にいて…
傍にいて…
総一郎
「だからどんな夢だったんだ?竜崎」
L
「何回聞いたって答えませんよ」
総一郎
「だったら躰に聞こうかな、今日の私は元気だぞ?」
L
「望むところです」
総一郎
「では生殺しの刑だな」
L
「え゛?」
まさか総一郎さんがあんな事をするなんて…………
私が溜まらず口を割ってしまうまでそれ程の時間は要しなかった…
だってあんな素敵な…
そんな顔しないで総一郎さん、心配しないで…
夢の事なんて…もう忘れましたから…
そして二度と思い出さない様に…
いつまでも傍にいて―――
《終》
◆あとがき◆
秋様からのリクで誘い受L…何やら途中から別な話になっていますね…
自分の文才のなさを思い知らされた作品になってしまいました↓
この様なものでよければお納め下さい。
秋様、リクエスト有り難う御座居ました。