WJ作品

□デスノート〜第二部
1ページ/62ページ

【憧れと現実1】

ロジャー
「はっはっは、メロもニアも本当にLが好きなんだな」

ニア
「えぇ、大きくなったらLをお嫁さんに迎えます」

メロ
「うん、僕おっきくなったらLのお嫁さんになるんだ!」


「…………(汗)
困った子達ですね、ロジャー(汗だく)」




大好きだったLが死んで四年…未だに信じられない。

いや…

信じるつもりも毛頭ない。
彼の事だ、死んだと見せかけて何処かに身を隠し、キラの油断を誘って虎視眈々と機会を窺っているに違いない。
私は…そう信じている。


メロ
「はん、お前もおめでたいな。
まだ幻想にしがみついてるのか?

Lはお前が思ってるほど絶対的な存在なんかじゃない。
キラにやられる…その程度だったって事だ」


メロ…ロジャーにLの死を知らされて以来すっかり変わってしまった。
Lが絶対的な存在だったのは寧ろ彼の方。
四年前のあの日から三日三晩食事も摂らずに泣きはらし、このまま死んでしまうのではないかと思う位Lの死を哀しんでいたのに…

メロ
「キラは俺が捕まえる。
Lには出来なかったが俺なら訳はない」

ニア
「自惚れるな!!

…あ、いや、すま…ない…
兎に角、メロ独りで何が出来ると云うんです。
早まった事は考えないで私と共にアメリカへ行きましょう。
先日FBI長官宛に送ったデータの功績を認められ、大統領に接見…」

メロ
「俺独りじゃ何も出来ないってのか!?
嘗められたものだな、いつからそんなに偉くなった?

いいか、ニア!
覚えておけ…俺は必ずお前より先にキラを挙げてみせる!!」


メロは私の云う事には必ず反発する。
どうしてこうなってしまったのか…
元々確かに親友と呼べる程の親密な間柄ではなかったが、それでも二人第二のLとなるべく育てられた同じ志を持つ仲間だったのに…
お互い憧れのLに少しでも近付こうと競い合った好敵手であった筈なのに…

愛する人を何故信じられない?メロ。
勝手に失望するのは構わない。Lを継ぐ事を放棄するのもお前の自由だ。
しかしこれ以上Lを侮辱するのは許さない!
期待を裏切られたと自棄になるより先に為すべき事が在る筈だ。

ロジャー
「やはり一人で行くのか?ニア…」

ニア
「メロがあんな状態では仕方ないでしょう。
無理に連れて行っても私に反発し、却って捜査を攪乱する行動に出ないとも限らない…

アメリカへは私一人で渡ります」

ロジャー
「しかしあの子、何処でコネを取り付けたのか…【あの連中】と接触を謀っているらしい。
恐らく殺人ノートを手に入れる為利用するつもりだろう」

ニア
「なん………!」


【あの連中】…だと?危険過ぎる!
幾ら卓越した頭脳を持っていたってしょせんは子供だ、逆に利用されて最後には殺されてしまう。
いや、いっそひと思いに殺されるならまだいい。
あの容姿だ、ぼろぼろになるまで男達の慰み者に…!


ニア
「メロ!!」

ロジャー
「ニ、ニア!?
何処へ…!?」

ニア
「彼を止めます!
まだこの施設の中にいる筈だ…手遅れになる前に!!」


はっきりと決別した今、あんな奴…どうでもいい筈なのに。
いっそ痛い目に遭って自分の愚かさに気付けばいい、そう思っていたのに…

悔しいけどLは私よりメロを可愛がっていた。

…様に思う。

Lの様になりたくて話し方や仕草を必死になって真似をした。
そんな私をLは苦笑いして見ていたけれど、そうする事をやめられなかった。

でも…メロは違った。
Lに憧れ乍らいつもLとは違ったやり方を探していた。
彼は私と違いLになりたかったのではなく、Lを越えたかったのだ。
そんなメロをLも誇らしげに成長を見守っていた。

だから私はメロを好きになれなかったのかも知れない。

…嫉妬?

そうだ、才能は私の方が上だったかも知れないが、あの感性・発想力・物事に囚われない自由な考え方…どれも私には足りないもの。
その力を持ち、Lに愛されたメロに私は嫉妬していたのだ――


ニア
「いつかLは私達の処へ戻って来る…
それまでメロは傷つけちゃいけない…!」


私は悲痛な想いでメロを探した。
愛する人が愛した者を護る為に。
彼を護れなかったら…家【ここ】にLが戻って来た時に顔向け出来ない…!

ニア
「ここにいたんですか…
部屋の荷物が大分なくなっていたから間に合わなかったかと思いました」

メロ
「……………」


メロは…Lが幼い頃使っていた部屋にいた。


Lはたまに帰って来るとこの部屋で過ごす。
だからロジャーが手をつけずそのまま残しているのだ…Lがいつ戻って来てもいい様に。
ロジャーも彼の死を完全には信じていないのだろう―――



旅立ちの前にこの部屋へ寄る…メロ、やはり今でもLの事を…?


ニア
「Lは絶対に生きていますよ。
だから…彼を笑顔で迎える為にも、共にキラを追うべきだとは思いませんか?
私達のこんないがみ合った姿を見たらLが哀しむ…」

メロ
「Lは生きている?
だったら尚更だ。
キラは俺が捕まえてLより俺の方が優れてるって事を見せつけてやるまでさ」

ニア
「まだそんな事を!!
いいですか、メロ…目的の為に手段を選ばないでいるとその内どんな目に遭うか…
【あの連中】はあなたの頭脳を利用したいだけなんですよ!?」

そこでメロは初めて驚きの表情を見せた。
自分が利用される云々より、【あの連中】とコンタクトを取っている事を私に知られている事に。


ニア
「突きとめたのは私ではなくロジャーですけどね…
解りましたか?あなたは秘密裏に動いているつもりでもたやすく見破られる…その程度の力しかないと云う事です」

メロ
「【あの連中】ってどの連中だい…?」

ニア
「往生際の悪い…
【グランツ】を利用しようなんて、考えが甘過ぎま…」


メロは突然勝ち誇った様に笑い出した。


メロ
「グランツか…傑作だ!
ロジャーやお前の情報網もその程度だった様だな、安心したぜ」

ニア
「あなたがグランツの関係者とコンタクトを取っていたのが通信記録に残っているんですよ!?
誤魔化しきれない」

メロ
「くっくっくっくっ…
あは、あははははははは!
だからお前はおめでたいって云うんだよ!
まぁ、Lなら完全に突きとめたろうな…」

ニア
「…え?」

メロ
「(ハッ)
お、お前に俺は捜せない!!
じゃあな」

相手が誰だろうとどの道メロが利用しようとしているのは裏社会の組織だ。
このまま行かせてはならない!


ニア
「メロ!!
あなたがどの組織を利用しようとしているかは分かりませんが、何処を選んでも結果は同じです!
奴らの目的はあなたの頭脳だけには留まらない…あなたを従わせる為に、その華奢で美しい肉体を何人もで弄ぶ…
それに堪える覚悟があるんですか!?」

メロ
「お前には関係ない…」

ニア
「なっ…!」


事の重大さが分かっていないのか…?
Lに抱かれる事を望んでいたメロが、他の男に肌を許すなど…そうまでLを否定するのか?
それとも躯を他人に委ねる事をそんなに簡単に考えているのか!?


ニア
「メロ、待ちなさい!!」

がっ!!

だんっ

メロ
「あうっ!

…ってぇな!
何しやが…!
んんっ!?」

ニア
「一度痛い目を見ないと分からない様なので、私が分からせて差し上げますよ…
これからあなたに乱暴します。
やつらの拷問と同じレベルでね…」

メロがあざ笑う様に口角をあげ、馬乗りになった私を見上げた。
私にそんな事など出来る筈がないと思っているのか?
口ばかりの脅しだと…


ニア
「暴れられては敵いませんからね、手足は縛らせて貰います。
なんなら目隠しもしましょうか?ここはLのベッド…彼に抱かれている錯覚位は感じれるかも知れませんよ?」

メロ
「ふざけるな!!」


しかしメロは私が本気だと知り、初めて青ざめた。
だがこれ位ではメロの考えを改めさせるに十分な効を奏したと云えない。
私は容赦なくメロの衣服を剥ぎ取った。


メロ
「おいよせ、いい加減にしろ!」

ニア
「私も…Lがいなくて寂しいんですよ。
Lの代わりにあなたを抱かせて貰います。

どうせ裏組織の男達にこうされる事は覚悟の上だったのでしょう?
ならば奴らの慰み者になるのも、私の慰み者になるのも同じです」

メロ
「や、やめろ、ニア!
やめ…!
や!…ひっ」


小刻みに震える美しい姿態、真っ白な肌…私はその白い肌の中にぽつんと紅い二つの未発達なつぼみにそっと口づけた。

びくんっ

メロの四肢が激しく痙攣した。
しかし弱みは見せまいときつく歯を食いしばっている。
意地を張って…けど私はお前が考えているほど甘くはないよ?

つぼみから唇を離し、今度は舌を這わせる。
メロは瞼をきつく閉じ、声は漏らさない。顔が紅潮しているのは怒りの為か恥じらいなのか…

同じ箇所を執拗に舌先で弄るとそこは徐々に硬くなり、私の愛撫に反応を示す様になった。


ニア
「性格の方は兎も角、躯は素直ですね。
感じているのでしょう?声を出してもいいんですよ?
折角ですから楽しみましょう」

メロ
「だ…れが、お前、なんか、と…っ」

ニア
「快楽を拒むのはあなたの勝手ですがね、受け入れた方が事は早く済むと私は思いますよ?
まあ、この程度の拷問に堪えられない様じゃ、奴らを利用するなんて話にもなりませんが」


メロが私を睨みつける。
彼のプライドが高く負けず嫌いな性格はL譲り。
しかし私もまた限度を知らないと云う厄介な性質をLより受け継いでいる。
メロが何処まで堪えられるか楽しみだ。

ニア
「メロはここをいじられるのが好きみたいですね。
他には手をつけてないのにこっちがもうこんなに…
そんなに気持ちいいのなら今度は右側をじっくり可愛がってあげますよ」

メロ
「ば、かやろ、誰っ、が!
くっ…!
幻覚…見、て、るんじゃ…ね…
つっ」


私が歯をたてると苦痛に顔を歪める。その顔がまた美しくて思わずぞくぞくとした。
ひょっとして私は…メロに惹かれている…?
まさか…Lを否定するこの男を私が愛するとでも?
馬鹿な!!

頭に激しく血が上るのが感じられた…馬鹿な、認められない!
私がL以外の…それもよりによってメロに?


メロ
「お…おい、ニア…?」

ニア
「うるさいっ!
黙れっ!」

メロ
「ニア?
おい、ニア!?
よせ…!」

ニア
「黙れと云っている!!」


私は自分でも逆上しているのが分かった。
先ほどまで強がっていたメロの表情がみるみる怯えに変わってゆく…
私は今…どんな顔をしているんだ?

メロ
「やめ…!
ニア、やめっ!
お願…ひっ!!
や…
や…

え、L!!L!!
やだぁ、Lぅ…!!」

ニア
「へぇ…Lを否定してたんじゃなかったんですか?
Lに助けて欲しい…?いや、Lにこうされたかったんですね、メロは」

メロ
「違…!」

ニア
「何が違うんです?
私じゃなくLにここを可愛がられたかったんでしょう?
こんな風に」

メロ
「やああぁぁぁあぁ!!」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ