おそ松さん

□六つ子のシンクロ度チェック
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おそ松
「やーいやーい、イヤミのバーカ!俺達六つ子に勝とうなんざ100万年と6日早ぇーっつーんだよーだ!」

十四松
「ばいばいきーん!」

カラ松
「アデュー」

一松
「ミギャッ、フー!!」

トド松
「まったねー♡」

チョロ松
「あーあ、知らないよ、仕返しされても」

イヤミ
「むぎぎ…覚えてるザンス…絶対あのモンスター六つ子に復讐するザンス―――!!」












































チビ太
「ふーんふーんふーんと、おいらーのおっでんーは銀河ー一〜♪って、何やってんだおい…イヤミか?お前ェこんな処でどうしたんだよ。悪ィけどどいてくんねーかな。商売の邪魔なんだよ」

イヤミ
「チビ太ー!待ってたザンス。ミーはこれからあの悪魔の六つ子達に復讐するザンス!日頃同じ恨みを持つ者として協力して欲しいザンス!」

チビ太
「あ?別においら恨みなんてねェけど」

イヤミ
「何云ってるザンスか!あの六つ子に何回ツケを踏み倒されたと思ってるザンス!今こそ立ち上がる時…共に妥当六つ子を目指すザンス!!」

チビ太
「そう思っておいらもカラ松を誘拐した事あったけど、空しい思い…つか気まずいっつーかしようのないフォローをしなきゃならねェ羽目になるっつーか…兎に角やめとけ?な?労力の無駄だぞ?」

イヤミ
「日頃仲が悪そうに見える六つ子ザンスが、いざとなった時の結束力は侮れないザンス。だからミーはその結束力を崩すのが勝利へのカギだとみてるザンスー」

チビ太
「聞いちゃいねェなバーロー…あのな、イヤミ」

イヤミ
「まずミーは六つ子の絆とやらがどの程度のものか調べる為に、奴らの部屋に隠しカメラを仕掛けたザンスよ」

チビ太
「ちょっ、それ犯罪」

イヤミ
「見るザンス。あいつら揃いも揃って毎日全員が同じ服を着てるザンス。パーカー2色につなぎにブレザー…流行りの双子コーデじゃあるまいし、あれだけの服を持ってるなら別に兄弟別々の服でもいい筈ザンス。なのにあいつらときたら一人がパーカー着たら全員パーカー!つなぎを着たらみーんなつなぎザンス!」

チビ太
「よく見てんな、しかし。別にあいつらが何着ててもいいじゃねェか」

イヤミ
「そこザンスよ」

チビ太
「何処でもいいっつーのバーロー」

イヤミ
「見たところお揃いの服が奴らの唯一の絆ざんす」

チビ太
「お前ェもお揃いの服が羨ましいのか?」

イヤミ
「そうじゃないザンス!!考えてみるザンス。あの仲良し6人から一人だけ仲間外れが出たら…」

チビ太
「さっき自分で兄弟仲悪ィって云ったじゃねェか」

イヤミ
「一人だけが他の5人と違う服を着てたら…!兄弟の絆…ジ・エーンド!ザンスー!!かーかかか!!!!」

チビ太
「ほんっと人の話聞かねェな、お前ェはチクショー」

イヤミ
「そこでミーは考えたザンス!」

チビ太
「あ、まだ続くんだ。おいらもうおでんの仕込みしなきゃなんねェんだけど」

イヤミ
「まだ一人が寝ている内に他の5人を呼び出し、何を着て出掛けたか分からなくするザンス!5人が帰って来た時自分だけが違う服を着てたらどうザンスか?ヒョーヒョヒョヒョ、それを一人一人毎日繰り返せば一週間と待たず六つ子は崩壊ザンスー」

チビ太
「本気で云ってんのかねェ…ま、おいらは止めねェから好きにすれば」

イヤミ
「あそーれ、不仲になーれ♪不仲になーれ♪不仲になーれ♪ヒョーヒョヒョヒョ」


――翌朝――


イヤミ
「しめしめ、一松を残して全員起きたザンス。5人を呼び出すザンスよ」

チビ太
「なあ、おいらもう屋台片付けてェんだけど」

イヤミ
「後は一松が起きるのを待って…ヒョヒョッ、他の兄弟が何を着たか分からなくて狼狽えるがいいザンス」

チビ太
「あ、起きた…迷わず他の兄弟と同じ服選んだな」

イヤミ
「そ、そんな馬鹿な…!何故ザンスー!?」

チビ太
「実は着る服の順番が決まってたりして(笑)」

イヤミ
「このままじゃ引き下がれないザンス。成功するまで何度でも一人を残して呼び出しをかけるザンス!」

チビ太
「えー、明日もやんのかよ。おいらもう付き合わねェぞ?」

イヤミ
「打倒六つ子!勝利は我が手に!!」

チビ太
「ふあ〜あぁ、ねみ…じゃあな、イヤミ。明日は別んとこでやってくれよ?」


――更に翌日――


チビ太
「って、いるし…」

イヤミ
「くっ、またしても最後に残ったのは一松ザンス!しかもまた他の兄弟と同じ服を選んだザンス」

チビ太
「実は起きてて何着てったか見てるんじゃねェのか?」

イヤミ
「いや、見た感じ爆睡してたザンス!くっそー、明日こそは…!」


――更に更に翌日――


イヤミ
「シェ―――――!!また一松ザンスー!!そして間違う事無く他の兄弟と同じ服ザンスー!!」

チビ太
「頼むからもうおいらを巻き込ねェでくれよ…」


――更に更に更に翌日――


イヤミ
「な…何故ザンスか…一松には超能力でもあるザンスか?何故起きる前に出て行った兄弟が着た服が分かるザンスか?」

チビ太
「あのよー、イヤミ。こんなこた云いたかねェんだけどよ…何日待っても結果は同じなんじゃねェのか?」

イヤミ
「な、何故ザンスか?」

チビ太
「まず何日待っても最後に起きるのは兄弟で一番血圧の低い一松だ。あいつはガキん頃から朝弱かったからな」

イヤミ
「シェ!?」

チビ太
「そんで箪笥の中見りゃ他の兄弟が着てった服なんて分かんじゃねェの?パーカーなくなってりゃパーカー着るだろうし、ブレザーなくなってりゃブレザー着りゃいいんだからよ」

イヤミ
「シェシェ!?」

チビ太
「つーかあいつらも毎日謎の呼び出しなんてくらってよく今日まで付き合ったよなあ?明日にゃ流石にもう相手にされねェんじゃねェか?」

イヤミ
「謎の呼び出しじゃないザンス。ちゃんとミーだと名乗って他の5人を家から追い出したザンス」

チビ太
「へっ?お前ェ、自分の名前で呼び出しかけといて、あいつらほっぽってこんなとこで監視ごっこ続けてたのかよ。よくあいつら怒らねェな」

イヤミ
「そんな事しないザンス。今日はご近所からお裾分けで貰った梨が一人じゃ食べきれないから取りに来るザンスと云ってあるザンス。昨日はみかんでその前はりんごだったザンス。ミーは用事があって出掛けるけど、郵便ポストに入れておくから好きに持ってくザンスと云ってあるから疑われてないザンスよー」

チビ太
「えぇっ、ずりィぞ、イヤミ!復讐する奴らに分けるんだったら協力してるおいらにも回してくれよ!つーか何で毎日そんなにお裾分けが貰えるんだ?」

イヤミ
「冗談じゃないザンス。六つ子にそう云ってるってだけで、ミーのポケットマネーで買ってるザンス。チビ太にまで分ける余裕はないザンスよ」

チビ太
「は…?」

イヤミ
「元手がかかってるザンスからね…この復讐は失敗出来ないザンスよ」

チビ太
「いやもう…お前ェの脳みそじゃ復讐は絶対ェ向いてねェって事にいい加減気付いてくれよ…おいらいつまでこんなのに付き合わされるんだ…?つーか仲良くみかんやら梨やら食って寧ろ兄弟の絆深まってるじゃねェか…」


そして更に翌日…カラ松は自慢のパーフェクトファッション、チョロ松はオタクの正装ネルシャツ、一松は猫化するとプリントがCATに変わる謎のDATトレーナー、十四松はいずこのチームか出所の知れぬユニフォーム、トド松はピンク基調のデートコーデと各々好き勝手な服を着た挙句、6人揃ってきゃっきゃうふふと楽し気に振舞っているのを見せつけられ、イヤミは己の読みの浅はかさと計画の杜撰さに打ちのめされたのであった…うん、服は絆にも結束力にも関係なかったね。そうでしょう、そうでしょうとも。

【終】


◆あとがき◆
そう云えばおそ松だけが他の兄弟とお揃いじゃないオリジナル服を持っていない気が…何処かに出て来ましたっけ?

2016/05/06

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