□プロローグ
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《愛してるよ》
そんな安い言葉…

《好きだから》
知っているはずだから…


2人は決して気持ちを言葉にした事はない。


きっと既に伝わっていて、だけれども形としては何も残っていないのは本人も気づいているのに。

誰がどう見ても恋仲な男女はお互いを信用し過ぎていた。

そしてそれと同時に疑い過ぎていた。


形をなさない想いは誰にも届かない。
実際にはそんな事にも気づけなかった2人は少しづつ歪みを帯びてゆくのだ。

愛の歪みは愛憎。


想いは揺れる。
心は見えない。





今更伝えておけば良かっただなんて。


後悔?


そんな甘い事は世の中には存在しないのだ。



本物の愛は言葉にしないと受け取れない。









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