腐向け

□その刃先にも似た瞳
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生というのは儚く悲しいものだ。一瞬で光り、消える。ラディッツはわかっていたのだ。
だから相手の弱点を見極め、蛇がまるで獲物を仕留めるように一瞬で終わらせる。今思えば彼は戦士というより殺し屋のようだった。
そして彼が相手を仕留めたときの顔を見たベジータは背筋がゾクゾクしたのだ。あの羅刹のような恍惚に冷たく冷酷な笑みを見たとき。
「…かっこいいというのか…」あのとき彼になら殺されていいと思った。その黒く沼に飲み込みそうな闇の色と刀のような鋭さを持った瞳、死神のような笑みを見て。
彼がもし今の悟空のような力を持っていたらどうなっていたのだろう、己たちより早く魔人ブウの弱点を見つけ終わらせていたのかもしれない。
「…ベジータ王子じゃねぇか。」声がしたとこを見ると、そこにはターレスがいた。少しいやそうな顔で己を見てくる。
「ターレス…、そうか…きさまも死んでいたのか…」
「あぁ、ラディッツの弟によってな。」あいつ、会ったときは俺が殺してやる!と舌打ちをして自分のとなりに座った。もちろん距離を開けてだ。
「無理だな、今の貴様なら俺様でも殺せる。」もとからだがな、とベジータは鼻で笑うとターレスは不機嫌にして相変わらずの俺様かと言ってきた。
「こんなとこにいるとは、ラディッツの言う通り魔人ブウに殺られたんだな。」ラディッツ、その名前を聞いてベジータは立ち上がりターレスの胸ぐらを掴んだ。
「ラディッツは、ここにいるのか!!!。」
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