拍手小話

□きみがため3
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君がため
※平安時代?パロ
・皇嵐ちゃんが天皇の娘
・兄ちゃんが警護役

「嬉しそうにしているな、お前」朝を知らせる鶏の鳴き声を他所にしながらあたりを見回していると後ろから声をかけられた。
ふっとそこを見ると貴族達と歩いている…皇族出身のカリーがいた。彼は父親を親王(皇嵐の兄)に持ち母親を大納言の娘とするとても偉いところのだ。所謂生まれながらにしてのエリートなのである。
「……そうですかね」だが、自分はこのモノと10ねん少し前まで遊んでいた。母親が彼の母につかえていたからだ。子守役と言った方がいいかもしれない。
「おいおい、そんな肩苦しい敬語使うなよ。」
「そんなたいそれたことできません」
「えーー!、俺とお前の仲だろ??。な?、教えてくれよ」
「お断りします」このひとは…しっかりしている所はあるが、こんなやんちゃなとこがあるのだから。
「カリーさま、はよいきましょ」そうしていると近くにいた貴族がいう。
「わかった、ラディッツ!!。あとで話聞くからな! 」
(言えるかよ、お前のおばに謙遜しているなどと)「はいはい」すっと皇嵐から返された和歌と手紙を見る。
「あとすすこししたらやすみだな」その時に手紙の返信を書こう。彼女への熱い想いを。

ベン、ベン、……と軽やかに琴の音が響いてくる。皇嵐は日課としている琴のならいをしていたのだ。
「いつもよりお美しく春の風のような音ですな」琴のせんせいは扇で口を隠してクスクスと笑いながら褒める。
「そうかしら」
「えぇ、いつもはもう少し重たい感じというなんというか…なにかに縛られていた感じがしますもん」
「そう、ね」縛られている、それは家のことだ。民の一パーセントにも満たないのが貴族。それよりさらに少ない、皇族なのが自分。いい生活ではあるが自由ではない。いつも、縛られて監視されているり
そんな中、あの手紙が来たのだ。綺麗な和歌が添えられた恋文が。
「何かいいことでもありましたか??」
「………少しね」今はこの心の中にしまおう、あの名無しから来た恋文のことを。

丑の刻、皆が寝静まったところラディッツはまた侵入して手紙の文を置いた。スヤスヤと彼女は寝ている。
「……美しい」人のものとは思えないほどに。彼女の唇に口付けをして部屋から出た。
春日野の 雪間を分けて 生い出でくる
草のはつかに 見えし君は

【春日野の雪の間を分けて生えて出てくる草がわずかに見えるように、わずかに見えたあなたの姿に一目惚れしたのですよ】
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