拍手小話

□君がため4
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君がため
※平安時代?パロ
・皇嵐ちゃんが天皇の娘
・兄ちゃんが警護役

「おやおや、また返歌がきてますよ」鳥のさえずりを聞いて心地よく起きているとこ女御が皇嵐に文をひとつ届けてきた。
何であろうかと開いてみるとまたきれいなもじと和歌がかかれてある。いつのまに…しかもこんな美しい歌が。
「ほんと、これを書かれた人はとんでもなく偉い家のものなのかしら」髪をくしでとかされながら皇嵐はつぶやいた。
「でも、わたくしたちが知らない間にですからね…」
「警固番が知っているのでは?」若い女房が皇嵐に言った。
「警固番に??」確かにいつも寝ずに己たちを見張り守っているのだ何かを知っているのかもしれない。
(でも警固番が通すほどなのだから、とても偉い方だわ。)一体誰なのであろう。鼓動の高まりを抑えながら皇嵐も和歌をかいていった。
ーーー
「じゃあ、なにがおきたかきこうじゃねぇか」内裏付近にある親王たちの屋敷に、ラディッツはよびだされた。
相手はもちろん昨日話をした親王の息子・カリーだ。自分の話をとても楽しみにしていたかその笑顔は、さわやかなもの。
夏の風というものは彼の笑顔のようなものかもしれないなとラディッツはおもった。
「だからなにも」
「なにもないわけではないだろ??、あの無表情が基本のお前があんなに笑顔なんだから」
「いやそれは……昨日の天気が「無頓着なお前があんなので喜ぶはずねぇ」……」ずぼしである。小舎人童に少しの間去るように、と言いカリーとラディッツはふたりっきりになる。
「どうせ、皇嵐のことだろ」そのことばに息を呑むしかなった。なぜ??、かんぺきにしていたはず。
「男達の間ではもっぱらの噂だぜ?、おまえが皇嵐に謙遜していると」
「っな……」
「女房たちも何名かいい相手がいるのではないかと噂をしている」そんな、かおに出ていたなんてとためいきをつく。カリーも呆れたように息を吐きいう。
「もう、諦めるかお前が頑張り祖父のように関白になるしかないな」祖父…あまり聞きたくないものだ。
「"あの男"みたいにか」武官でありながら、歌と学問でかんぱになった祖父のように。
「あぁ、そしたらどうどうといけるしな」
「無茶をいう……」苦笑を浮かべて、ラディッツはその場を離れた。
丑の刻になるころ、またこっそりと部屋に入る。いつも通り文が置かれてあった。中にある文は何であろうか、うわついたきもちをおさえながらかのじょのあたまをなで望月の夜の道を歩いていった。
みちのくの忍ふ文字ずり誰ゆへに 
 乱れそめにしわれならなくに
【しのぶもじずり(陸奥産の乱れ模様に染められた布)の乱れ模様のように、
   私の心は乱れに乱れています。
   いったい誰のせいでしょうか?(あなたのせいですよ)】


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