リクエスト(捧げ)

□一人ぼっち、二人ぼっち
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ー俺はいつだって独りだ。俺の心を癒してくれるやつは、どこにも居ないー慣れちまったんだよ。他人が傍にいることに。独りになったら、一気に不安になるんだーお前もいずれ独りになるだろうー

「……お前の言う通りだな……カリグラ」弟と死んだあと、ラディッツはポツリと一人で呟いた。幼い頃供にいた男の言葉を思い出して。
彼はこんな寂しいものを何年も何十年も体験してきたのか。
彼はこんな虚無を寂しさのなか生きてきたのか、どれだけ強い男なんだ。今はこの場にあるのは己と…己の゛骸″。それ以外は何もない…仲間も、友も、家族も居ない。
その時だった、

「…おいおい、独りになったら俺のとこに来るのではなかったのか?。何をべそべそ泣いてんだ、俺を何十年待たせる気だ?。ラディッツ」後ろから懐かしい声が聞こえてきた。己と似ているが低く、柔らかい声。
「…カリグラっ…?」カリグラだ。ふっと優しく艶やかに笑み、カリグラは久しぶりだなと言ってきた。
「待ちくたびれたからな、俺から来てやったぜ。この俺が直々にな」自分同じ顔なのにこれでもかと言うくらいに大胆不敵に無敵にカリグラは微笑む。
自分は幼い頃より大きくなった、性格も変わった。なのに彼は変わらない、まるで彼だけ時間が止まっているように。
誰よりも強く、誰よりも輝いている彼は。変わらない、その泰然自若なところも大人の色気となにも関係なく惹き付ける妖艶な雰囲気も。
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