腐向け

□俺と゛俺″
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ビリビリ!とまた咆哮が響く。目を見てみると、黒い炎が烈火のごとく燃え上がっていた。彼も怒りを覚えているようだ。
「ベジータはサイヤ人の王子だ!!。ついていって当然だろ‼。」
「己が駒だと理解してなおついていく理由があるか!。そんなのただの逃げだろうがぁっ!!!!!。」似ているこの男は…似ている、親父に。ラディッツは心で思った。そっくりなのだ、バーダックに。我が道を行かんとするところと、自分の実力に自信を持っているところが。そう、自分とは違う。
歯を食い縛り、睨み付ける。
「お前は違うとこの゛俺″なんだろ?。なら、実力も違うよな?。弱者には弱者なりの生き方があるんだよ!。貴様ら強者にはわからないだろうな‼。」そうだ、自分達には自分たちなりの生き方がある。強者に屈しても生き残っていくと言う生き方がある。
それを逃げだと否定されたくない。そもそも言われる筋合いを持ってはいない。
「…いっぱしに逆らえる力は持っているようだな。」コツ、コツ…とラディッツに近づく。そして顎をつかみ上げて目線を合わせた。
同じ目の色だ、でも彼の方が何もかもを飲み込みそうに色が深く刃のように鋭い輝きだ。
「…なんっだよ…?」ニヤリ、と魔王は笑い言う。
「…なかなかな素質があるなとな。…お前は゛俺″だ独り立ちをするくらいの気力はあるだろ?。親父のことなんぞどうだっていいだろう。」
「…は?」たらり、と冷や汗を一筋かく。
「お前は…俺と違って親父を尊敬しているのだろ?。」
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