短編novel
□自虐的恋愛
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――――恋とか、夢物語かと思ってた。
自分で言うのもなんだけど、私は割とモテた。
だから、私は受身で、そういう感情を持ったこともなかった。
――――貞操とか、もっとどうでもよかった。
いつ捨てたかすら、あんまり覚えてない。
ってくらい、ドライだった。
――――あいつに、会うまでは。
きっかけは、酔いつぶれたことだった。
何かでやけ酒して、思いっきり酔った。
どっかの、店だったんだけど。
友達も、何人かいた気がする。でも、その時私を持ち帰ったのは、あいつだった。
気がついたら、知らない部屋にいた。
そして、知らない人が私の横にいた。
「…あーね」
目覚めてすぐ、私は悟った。
こんな状態で、事態が分かんないほど私は子供じゃないし、経験してないわけでもない。
あと、罪悪感なんて微塵もない。
…男が裸で隣りに寝てる。
それだけで、昨夜何があったかなんて、分かるでしょ?