【短編】現代(白澤×鬼灯)

□この神様には適わない。
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「・・・・・・。」

面白いものが見れたし、この辺で・・・。

白澤さんが私の耳元に唇を寄せる。

「はくたくさ・・・」

「僕も、お前なんか大嫌いだよ。」

私の言葉を遮って、耳元で淡々と告げた。

「え?」

それだけ言うと私から離れ、背を向けた。

「ごめん。こんな散らかっちゃったし、やっぱり今日中は無理だ。今度持って行くから、帰ってくれない?お前の気持ちも分かったし。」

「・・・。」

頭が上手く働かない。

予想外過ぎて。

すぐに嘘だと見抜いて笑ってくれると思っていた。

白澤さんのあの目は・・・

本気だ。

「あの・・・」

白澤さんは無言で私の前を横切ると、出入り口の扉を開けた。

「ほら、早く帰れよ。今日休みじゃないんだろ?」

「・・・。」

「僕が嫌いなんだろ?出てけよ。僕、大嫌いなお前といつまでも一緒に居るほど暇じゃないんだ。」

動けないでいる私に更に出て行くように促す。

「あ・・・」

ああ、しまった。

怒らせてしまった。

・・・。

・・・・・・。

・・・・・・・・・。

今考えたら、こんなの下卑ている。

この人への想いを、こんなに大切な感情を、このような戯れの種にするなど・・・

いくら恋仲の関係でも・・・

こんな・・・

穏やかなこの人も怒るに決まっている。

ああ、なんて愚かなんだ・・・

「白澤さん・・・」

「・・・。」

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

俯いて唇を噛む。

傷つけてしまった。

いつも私に想いをありのままに語ってくれる、優しい神様を・・・。

椅子から立ち上がれない。

「すみま・・・せ・・・。」

自然と謝罪の言葉が唇から零れ落ちる。

白澤さんの靴音が近づいてくる。
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